地獄の結婚生活の裏で、夫は浮気相手とカップル配信!?『夫が浮気相手とカップル配信してました クズすぎる夫に最大の制裁を』をレビュー
ひとつのアカウントで、カップルの日常を配信する「カップル配信」を見たことがあるだろうか。カップル系配信者たちの微笑ましいやり取りに癒やされ、元気をもらっている人もいるだろう。だが、その姿が誰かの尊厳を踏みにじった上にあるとしたら……。
『夫が浮気相手とカップル配信してました クズすぎる夫に最大の制裁を』(希虹:原作、一科ハチカ:作画/KADOKAWA)は、自分の夫が浮気相手とカップル配信をしていた女性の姿が主人公の物語だ。 主人公・渡辺莉子は、29歳で夫・翔太と結婚した専業主婦。翔太は、優しくて料理も上手な大手飲食チェーン店のエリアマネージャーで、30歳までに結婚したかった莉子にとってまさに理想的な存在だった。結婚の挨拶でも義両親となる人たちから友好的に接してもらえ、莉子は「これで幸せになれる」と信じていた。 だが、蓋を開けてみると、結婚は地獄のはじまりだった。翔太は、都心から電車で2時間半もかかる場所に、築25年の一軒家を勝手に購入していたのだ。配偶者への相談もなしに家を購入するなど、本来ならこれだけで離婚してもおかしくないほどの暴挙だろう。さらに、そこに住むために、莉子は仕事を辞めるしかなくなってしまった。 莉子は、「家を購入したのは、翔太が一家の大黒柱になる覚悟があるからだ」とポジティブに捉え専業主婦になるのだが、新居での生活は想像を絶するほど窮屈で陰湿なものだった。ローカルすぎる自治会ルールや、近隣住民からの監視。どんなに相談しても非協力的な夫に加え、アポなしで突撃してくる義母と、結婚生活の“地獄の寄せ集めセット”のような状態に追い詰められていく。 さらに、莉子が妊娠した途端、翔太が九州に転勤となり単身赴任することに。「ついていきたい」という望みは叶わず、翔太の頼みで家に残ることになってしまった。幸せな生活のために莉子がひとりで義母や近隣住民たちの嫌がらせと戦っているにもかかわらず、その裏で行われていたのは翔太と浮気相手との“カップル配信”だった――。 浮気を世界中に晒しているだけでなく、ファンまでいるという事実に怒り「絶対に許さない」と制裁を誓う莉子。独身気分で浮気を配信する翔太とその浮気相手には、一体どんな罰が下るのか。この物語の結末を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。 文=ネゴト / 押入れの人