年末に仕込み、正月に食べる「しめ鯖」は最高うまい…60代、年金暮らし男性の「二十四節気」身の丈生活
『おとなの週末Web』は、手料理の魅力も紹介しています。中でもお酒好きなら、お供になる肴にもこだわりたいところ。自宅で作った様々な料理で「おとなの週末」を楽しんでいる年金生活の元男性編集者が、二十四節気に合わせ、自慢の酒肴を紹介します。前編「うまい酒肴を『ドカンと食べたい』…物価高騰、年金生活の60代男性が編み出した『身の丈を楽しむ』意外な秘策」の続きです。 【写真】60代、年金暮らしの男性の「身の丈生活」の全貌
冬至から正月は「しめ鯖」がうまい
東京都内の魚屋では、デパ地下にある「湯島丸赤」や、高級スーパー「明治屋」「紀ノ国屋」あたりが最高のちりめんじゃこを扱う、と勝手に思っています。が、そこいらでは「50g=400~500円」くらいが当たり前。 しかし、築地値段ではじつに2分の1以下の値段なのです。この差はあなどれません。オイラの経験からは、築地値段と街中値段において、ちりめんじゃこほど価格差のある塩干ものはないと断言いたします。 そんな築地もすでに豊洲移転し、オイラも高齢者。もはや、「大量に食べたい」願望は失せ、季節のものをちょっぴり味わう方向に転じております。 季節のものは、出まわりはじめの「はしり」の時期を過ぎれば値段も安く、しかもおいしいものが手に入ります。昔から、冬至といえば、かぼちゃが知られるように、本来かぼちゃは秋から冬に出まわるもの。その時季に食べるのが味もよく、身体にもいいということです。 そんな食べ物と季節の関係を示すものが、二十四節気(にじゅうしせっき)だと感じています。現在の暦は、西暦(太陽暦)にもとづく新暦ですが、日本では明治5年まで旧暦が1300年余りも続いていました。その間、春夏秋冬をよりわかりやすく示し、「暮らしの目印」として根づいていたものが二十四節気ということです。 なじみのある、立春(2月4日頃からの2週間)、立秋(8月8日頃からの2週間)も二十四節気のひとつであり、夏至(6月21日頃からの2週間)や、冬至(12月22日頃からの2週間)は、日没時間との関係でめぐる季節の節目にもなっています。 ただ、正直言って、冬至のかぼちゃでは酒もすすみません。そこで、オイラのおすすめは、しめ鯖です。 二十四節気の冬至の期間は、おおむね12月22日頃からの2週間。意外なことに、新年1月5日頃までも冬至の時季となる。ならば、年末にしめ鯖を手作りし、正月に食べるのも冬至の酒肴の楽しみ方なのです。 鯖は「サバ」と書くよりも、魚偏に「●(うおへんに青の下が円)」と書くほうがぴったりの魚です。「秋鯖」が脂がのりおいしいとされますが、それは北海道や東北産での話。冬場に東京の魚屋に多く並ぶ九州の鯖は冬が旬。とくに長崎の鯖などは年末あたりに丸々と太ったものが安価に手に入ります。もちろん、脂ものっていて、まさに「冬至ならではの味」なのです。 「なんだ、しめ鯖かい」と思わないでいただきたい。たしかに、酢でしめた鯖なのですが、手作りのしめ鯖は、酢につけている時間がとても短いため、「酢でしめる」というよりも、塩でしめ、酢で鯖の脂分を落とすという限りなくレアなもの。居酒屋で出てくるしめ鯖とも違い、また、スーパーで売っているノルウエー産の解凍ものは論外、天と地ほど違うおいしさが楽しめるのです。 ただし、鯖は「アシが早い」ともいわれ、鮮魚でも急速に鮮度が落ちやすい魚。また、最近はアニサキスという寄生中がいる場合もあり、生食が心配なら48時間以上の冷凍が求められます。要は、自己責任です。魚屋では、「しめ鯖」にできる鯖か否かを、必ず尋ねて求めましょう。
【関連記事】
- 【続きを読む】東京のうまい 「最強の町寿司」 ベスト7軒…高コスパ、一貫 《110円》 からで一見さん、ソロ活でも大丈夫「覆面調査隊が実食」
- 東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見
- 東京老舗の「絶品そば」ベスト3店…のどごし最強クラスの絶品を《浅草・目白・小川町》で見つけた
- 東京、酒もうまい「絶品そば屋」ベスト5…のどごし最強、ソロ活でも大丈夫《西荻窪・入谷・浅草橋・両国・祖師ヶ谷大蔵》の「究極の一杯」
- 東京、日本橋の「高級寿司」を2200円で食べられる《すごいウラ技》を発見…!ソロ活でもOK、敷居が高くても大丈夫