なぜ「梅干し」は値上げしないのか？

　梅関連の商品を100種類以上取り揃える都内の梅干し店「梅マ本舗」。今、店の売り上げは絶好調だという。 【映像】秋以降に梅干し値上げ？ なぜ？ 　「梅はそこまで高い金額ではなく、（価格が）上がってもいないので、リーズナブルだ」（梅マ本舗 日本橋本店店長） 　物価が全般的に高騰する中、価格が安定していることが人気を支えている。なぜ、値上げがされないのか。 　実は梅の年間収穫量はここ3年間、10万トン前後と例年並みからそれ以上に獲れており、卸値はここ3年間で4割近く下落していた。そのため、商品のパッケージやラベルなどの値上げがあっても、梅の価格の下落で吸収し、値段を変えずにすんだのだ。 　「海外の方も買うなど人気だ。老若男女、ちっちゃいお子さんも梅干し大好きで来ることもあり、若い女性や男性、もちろんご年配の方も買いに来てくれる」（梅マ本舗 日本橋本店店長） 　しかし、安定している梅の価格も、この秋以降には変化がありそうだ。日本一の梅の産地・和歌山県は今年、暖冬やひょう、カメムシの被害を受け、梅農家は頭を抱えている。 　「15年やっているが、ここまで不作なのは経験がない」（梅農家） 　記録的な不作の影響で秋以降、梅干しは値上がりする可能性がある。間もなく夏本番。暑くなれば梅干しの需要はより高まる。 　「梅干しの売り上げも上がってきている。気温が高くなってきて熱中症になりやすい時期になるので、塩分補給なども含めて、非常に売れ行きが良くなっている」（スーパーさんよう 阿部芳邦さん） 　家計への優しさと夏バテ対策。その両面で梅干しが“旬”なのは今だけかもしれない。 ※これはテレビ朝日「グッド！モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。