ウルフルズ約2年ぶりホールツアー 改めてウルフルズの、トータスの歌力を魅せつけられたロームシアター京都公演【"ネタバレなし"オフィシャルレポート】
ウルフルズの約2年ぶりのホールツアー『ウルフルズ ライブツアー2024 ツーツーウラウラツー シーズン1』が8月31日(土) 佐賀・鳥栖市民文化会館から開催されている。ツアータイトルは2002年に開催された全国ツアー『ツーツーウラウラ』にちなんだもので、22年の時を経て開催される。今回のツアーは初めて訪れる街も含む全14都市の会場を回る。9月3日(火)兵庫・アクリエひめじを経て、3本目のツアーが9月5日(木) 京都・ロームシアター京都で行なわれた。 【全ての写真】『ウルフルズ ライブツアー2024 ツーツーウラウラツー シーズン1』京都公演 トータス松本・ジョンB・サンコンJr.の3人を支えるサポート・メンバーは、真心ブラザーズの桜井秀俊(ギター)と小杉泰斗(キーボード)。トータスがMCで話していたが、真心ブラザーズはウルフルズより3年先輩のデビュー35周年。京都でのライブという事もあり、同じく関西の大阪・なんばHatch で9月23日(月・祝) に開催される35周年公演『古稀1/2(こきにぶんのいち)』について、トータス自らが宣伝告知をしていたのも、長年にわたるウルフルズ・真心との関係性を感じて悦ばしかった。ちなみに東京公演はニュー・アルバム『SQUEEZE and RELEASE』リリース日の9月21日(土) にEX THEATER ROPPONGIで行われる。2本共にサポートドラマーはサンコンであり、サポートベーシストはフラワーカンパニーズのグレートマエカワ。90年代カルチャーに学生時代から多大なる影響を受けている身としては、特筆すべき情報なので書かせていただきました。 さて、キーボードの小杉がウルフルズツアー初帯同なのも今回のトピックス。何がトピックスかというと年齢が25歳。メンバーと親子ほどの年齢差があるが、だからこその演奏の新鮮さと、本当に25歳と疑ってしまうほどの渋い技巧派でもある。見た目からしても若くして存在感があり、この新たな若き仲間は誠に頼もしい。余談だが、ツアー初日の佐賀でのライブ終わりに、ひとりでスタジオに練習に行ったという。この真剣さからして、ツアーでの伸びしろが楽しみでならない。 ライブでの立ち位置についても書くと、舞台前方に横一列で下手からサンコン・トータス・ジョンBときて、一段高い後方に桜井と小杉が並ぶ。美術セットは既にSNSでも写真が掲載されていたが、2002年のツアー『ツーツーウラウラ』と同じくウルフルズとデザインされた電飾美術セットが色鮮やかに光りまくる。物販でも当時の復刻グッズが販売され、この日も物販の売れ行きが良すぎて開演時間が5分押すといううれしい悲鳴も! そうそう、ここで改めてツアー『ツーツーウラウラ』の時代背景を参考までに振り返っておくと、2002年は2月にシングル「笑えれば」、3月にアルバム『ウルフルズ』が連続リリースされており、これらを引っ提げてツアーが開催されていた。アルバム収録曲『ツーツーウラウラ』から名付けられたのは言わずもがなであり、『知らない街へ 即出早出のツアーに』と歌われるように、先述もしているが、初めての街も含め全国津々浦々を訪れるというのは、当時も今回も大きなコンセプトになっている。後、何よりも大きいのは、2002年当時はジョンBが脱退中であり、ツアー『ツーツーウラウラ』シリーズには初登場となる。 で、肝心の内容だが、そこに関しては既にトータスがDJを務めるFM COCOLO『Got You OSAKA』生放送で、ツアー初日翌日の9月1日にジョンB・サンコンをゲストに迎えて話されている。これから書くトータスの言葉は、ライブでのMCと記述しない限りは、ラジオで話した事として読んでいただきたい。まずは開口一番トータスが話した事を記しておこう。 「曲目言われへんのよ! 衣装もいいのよ! 言わんとこ! 演出もいいんだよ! 言えないんですよ!」 てなわけで、もちろんネタバレ禁止という事で、せっかくライブレポートに入っても何も書けないというもどかしさ……。流石に『ツーツーウラウラ』と名付けられたツアーですから、あの曲はやりますけれども、「あら! そこでやりますか!?」という異様な興奮感がある。ジョンB的視点から書くと、脱退中の楽曲が今となって演奏されるのは、当時を知っている身としては感極まるものがあった。そして、今回の肝は、2002年のツアー『ツーツーウラウラ』やニュー・アルバム『楽しいお仕事愛好会』リリース日に初日を迎えた前回のツアー『ウルフルズ 30周年ツアー 2022-2023 ~楽しいお仕事演奏会~』と違って、アルバムなどの作品リリースに伴ったものではないということ。 トータスいわく「何をやるかわからへん! どの曲をやるかわからへんのが見所!」。 セットリストを見たラジオスタッフは、結構派手なフェスみたいなセットリストと言い現わしていたが、まさにその通り。30年近く聴いているファンからすると代表曲ばかりとはいえ、新旧楽曲取り合わせ振れ幅は過去最大に激しいかも知れないし、約30年前の懐かしすぎる楽曲から現時点での最新オリジナルアルバム『楽しいお仕事愛好会』収録楽曲まで満遍なく楽しめる。ジョンBとサンコンそれぞれにスポットライトが当たるコーナーもあり、フロントマンのトータスだけでなくメンバー全員が中心になっての表現を出来るというのは、このバンドの強みだなとうれしくもあった。