5速MT搭載! トヨタの「“最新型”AE86」が凄かった! 伝説の「パンダトレノカラー」ד画期的“「テンロクNAエンジン」採用! 「AE86 G16E」実際の印象はいかに
「GRヤリス」のエンジンに換装!? カスタムは「当時風」に
そのエンジンとは、「GRヤリス」に搭載される“戦うエンジン”として開発された1.6リッター3気筒ターボ「G16E」がベースのNA(自然吸気)エンジンになります。 開発陣はこのエンジンへの換装により、「故障リスク低減」「クリーンで省燃費な環境対応」「将来の代替え燃料への対応のしやすさ」の3つのメリットが生まれるといいます。
車両の開発はGRカンパニーが担当。ベース車であるスプリンタートレノ「GTV(後期型・パンダトレノカラー)」のレストアと並行しながらエンジンの換装が行なわれています。 G16Eエンジンはターボが取り外され、専用のエキマニ装着と制御系以外はオリジナルのまま。これはコストを抑える事に加えて「その先のチューニングはサードパーティ(社外メーカー)の役目」という考えがあるのでしょう。 気になるスペックは84kW/160Nmと、標準搭載の4A-Gの出力とほぼ同等レベルとなっていますが、G16Eはネット値(車両搭載状態での測定値)に対してAE86は当時の測定方式であるグロス値(エンジン単体での測定値)なので出力は向上している事になります。 このエンジンをAE86に搭載するためにエンジンマウントは新設計、サスペンションマウントはAE86用を流用しています。 さらに4A-Gよりエンジン高が高いG16Eをエンジンルーム内に収める策としてオイルパンも新たに製作。それがゆえにオリジナルのG16Eには採用のバランスシャフトは廃止されています。 ボンネットを開けると特徴的な形状のエキマニ以外は普通ですが、エンジン前側の空間からもわかるように4A-Gよりも車体中央寄りに搭載されています。ただ、その一方で上下方向のクリアランスはギリギリでボンネット裏側には加工の跡も。 ちなみにエアコンも装着されています(現時点ではダイハツの軽自動車用を流用)。当然ながら、エンジン換装に伴って構造変更審査を受け、公認車検も取得しています。 トランスミッションはAE86のオリジナル(5速MT)をそのまま使用。エンジンとの連結部となるクラッチハウジングやフライホイールも新たに製作されています。 エクステリアはフロントリップスポイラー(前期用)/サイドステップ/リアスポイラーは当時の定番スタイルを再現。 程よくローダウンされたサスペンションはコシミズモータースポーツ製、ホイールはWedsが復刻させたアルミホイール「RACINGFORG」に185/60R14のダンロップ「ディレッツァDZ102」を組み合わせています。 マフラーはフジツボ製のオリジナルですが、欲をいえばサイレンサーは黒塗装のほうがさらに当時っぽいかな…と筆者は思いました。 細かい部分になりますが、サイドのステッカーやリアのエンブレムが「TWINCAM 16」から「TWINCAM G16E」に変更されているのは、開発者の“ニクい”演出です。 インテリアはナルディのステアリングやブリッドのバケットシート以外はほぼノーマルですが、1DINのオーディオの下にはETCとUSB充電ポートが追加されているのは時代でしょう。 さらに細かく見ていくとアクセルペダルはGRヤリス用に変更されています。余談ですが、個人的にはリアシートが付いているAE86を久しぶりに見ました(当時は走り仕様でリアシートを取っ払うことも多かったため)。