森保ジャパン、中国戦で4-2-3-1ならトップ下は南野拓実か。鎌田大地というチョイスもないとは言い切れない
久保はリスタートのキッカーとしても計算できる
ただ、中国がそこまでフリーでスペースを与えてくれるかどうかは未知数。となれば、中盤で少し工夫をつけながら、相手と駆け引きして、自らもフィニッシュに持ち込める久保の方がいいかもしれない。アジアカップ最大のビッグマッチだったイラン戦でスタメンだった通り、最近の森保監督は久保への信頼を強めている様子だ。 確かに彼はリスタートのキッカーとしても計算できるし、サイドに流れてチャンスメイクもできる。多彩な能力は疑いの余地はないが、気がかりな点があるとすれば、伊東との共存経験が極端に少ない点ではないか。そのリスクを指揮官がどう考えるのか。そこをしっかりと見極めたい。 一方の鎌田だが、新天地では目下、シャドーを主戦場にしている。「僕自身はもう少しボランチ気味でプレーするのかなと思っていたし、(オリバー・グラスナー)監督とも話していたんで、多少ビックリしています」と本人も言う。それでも、複数ポジションをハイレベルでこなせるのが彼の良さでもある。 「タケならドリブルだったり、拓実君ならゴールを決めるとか、自分の持ち味を出さないといけない。僕の場合はわりといろんなチームでそこ(トップ下)でプレーしていて、ゴールやアシストも取れたりしているんで、目に見える結果とかいろいろできたらいいと思ってます」と、鎌田はどんなタスクを与えられても自分らしさを出せる自信があるようだ。 そこは森保監督にとっても心強い点。ボールを収めて試合の流れを変化させたり、周りを活かすという部分は、やはりこの男が頭抜けている。その力を重視するなら、鎌田というチョイスもないとは言い切れない。 いずれにせよ、誰が先発だったとしても、序盤から攻撃のギアを上げ、守備面でもハードワークして、相手に隙を与えないような仕事が必要不可欠だ。3年前のオマーン戦で先発した鎌田は、特にその重要性を強く脳裏に焼き付けて、ピッチに立たなければいけない。 「前回はもちろん先輩たちが『難しい』と伝えてくれていましたけど、多くの選手が初めての最終予選ということもあって、その難しさを本当に分かっていなかったところもあると思う。今は前回戦っている選手もたくさんいるし、抜け目なくやれるのかなと思います」と彼は力を込めていた。 堂安を含め、欧州5大リーグの上位クラブでプレーする攻撃的MFがズラリと揃っている今の日本代表。彼らをうまく使いこなせてこそ、2026年W杯でベスト8以上が見えてくる。森保監督には卓越した采配力を示してほしいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)