こども園で虐待、乱暴に布団に落としたり抱えて放り投げたり…保護者には虚偽の説明
青森県六ヶ所村は17日、村立千歳平こども園(指定管理者・社会福祉法人長崎福祉会)で11月、保育教諭による身体的虐待に該当する不適切な保育があったと発表した。園児は顎に切り傷を負ったが、園側は当初、保護者に「園児が遊んで、滑って、けがをした」と虚偽の説明をしていた。 【グラフ】児童虐待、死亡者数の推移
発表によると、女性の保育教諭は11月18日正午過ぎ、昼寝ができず落ち着かなかった園児を抱えて乱暴に敷布団に落とした。さらに廊下に座らせようと園児を抱えて放り投げた。園児は床に顎をぶつけて切り傷を負い、病院で治療を受けた。
園長は保護者に虚偽の説明をしたほか、園児がけがをした場合に行うべき村への報告を怠った。
虐待を疑った保護者が問いただし、同園から同20日に連絡を受けた村が調査。園長・職員ら全19人から聞き取り、防犯カメラを調べた結果、ほかの虐待は確認されなかった。同21日に保護者へ謝罪し、今月16日に保護者会で調査結果を報告した。長崎福祉会によると、この保育教諭は11月末で依願退職したという。
村は、村内の全こども園に設置済みの防犯カメラの活用や指導の強化などで再発防止を図るとしている。
戸田衛村長は「重く受け止め、職員の意識改革を図り、信頼回復に努める」などとするコメントを出した。