【日本人の幸福度は最下位…】イェール大学が教える「幸せを得るための科学的な方法」とは
2. 幸福を得るために理解すること
脳と心は「誤作動」する 「あなたが幸せにしてくれると思っているすべてのことは、あなたが思っているほど幸せにならない」 まずはこの事実を受け入れるところから始めましょう。 私たちの直感は、間違っていることがとても多いのです。なぜなのか? 私たちの心は、絶対的な観点から考えていない、ということが原因のひとつです。 人間は常に相対的に、なにかと比較してその物事を観測する習性があります。 この心理による社会的比較から、まずは離れる必要があります。 給与・財産・能力・美しさ・成績を比較することをやめる努力から始めてみましょう。 自分の幸せを、他人の目を通して決める「誤作動」はなるべくオフにしてみましょう。
人間は幸福にも不幸にも「慣れる」生き物
私たち人間は、幸福にも不幸にも慣れる機能を持っています。 幸福に慣れてしまうことも、悲しみを感じたときにずっと続くと思ってしまうことも、「インパクトバイアス」と呼ばれる脳と心の誤作動です。 インパクトバイアスとは、「将来経験することに、衝撃や長さを過大に予測してしまう」ことを指します。 たとえば、「宝くじに当たったら最高に幸せ!」と思っていたとしても、それが現実となると、その富は日常となっていくので幸福感は長く続きません。 そう、人は幸福にすぐ慣れてしまうのです。 もっと!もっと!と欲しがってしまうのも、この“慣れ”が機能しているせい。 多くを手にすればもっと幸せになれるという思考は、実際には大きな間違いです。 この「快楽的適応」により、物事が「新しい正常」になってしまうこと。あなたを幸せにするものは、時間の経過とともに「普通」になっていくのです。
この不幸がずっと続く?
そして不幸が訪れた時、それがずっと続くと思ってしまう方のインパクトバイアスにも注意です。 前提として、人は予測していたほどには落ち込みません。人は予期していない未来を不安に思うことにより生き延びてきた歴史があります。そのため、「不安に囚われる」ことは大切なことでもあるのですが、人間は必要以上にそれを感じる習性があること、そして現実に不幸な事象が起きた時には、思ったほど不幸な感情が長続きしないものである、ということを覚えておきましょう。 事実、HIVに罹患した患者たちがそれを告げられた時から1年後、幸福度は告知される前と同じくらい回復しているという事実があるそうです。 大切なのは、その「状況」よりも「心の持ち方」なのです。そしてもっと大切なのは、知識を得ることではなく、実践に移すこと。頭のなかで想像して終わらせてしまうのではなく、身体を使って感じていく。それが習慣になってこそはじめて、心も身体も変わるのです。 今回はまず、頭で理解することから始めてみました。次回は、では実際、なにをするべきなのか?実践することをお伝えします。