マカオ税関が祐漢エリアの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点3ヶ所摘発…活ロブスター約1.5トン押収
澳門海關(マカオ税関)は6月20日、同月19日にマカオ半島北部・祐漢エリア所在の工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点3ヶ所に対する摘発を実施したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。 税関によれば、事前にマカオ半島北部の某工業ビルで運び屋向けに商品を供給し、かつ違法な食材の保管が行われている疑いがあるとの通報があり、パトロールを強化して臨んでいたところ、6月19日午後のパトロールにおいて当該工業ビル内の3ヶ所が運び屋行為に従事していることが明らかとなり、摘発を実施。3ヶ所から活ロブスター合計約1561キログラム、市価にして約120万パタカ(日本円換算:約2384万円)を発見するとともに、各所の責任者のマカオ人の男2人、香港人の女1人が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、対外貿易法違反で起訴済みとのこと。
なお、税関が3ヶ所から発見した食材全量について上述の3人が原産地証明及び検疫申請書類を提示できなかったことから食品安全行政を管轄する市政署、さらに営業許可証なしで営業していたとして財政局による調査が進められることになったほか、香港人の女については違法就労の疑いで労工事務局がフォローアップを行うとした。 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。 このところマカオでは運び屋が絡む活ロブスターの密輸出事案の摘発が頻発している。