いずれは“キャビア”も 「チョウザメ」養殖に注力のワケ リニア開業見据え町の新たな特産品に 商工会有志が会社立ち上げ 初の試食会も開催
町の新たな特産品となるでしょうか。長野県高森町で、3年前から商工会有志がチョウザメの養殖を進めています。リニア開業を見据えた取り組みで、20日、初めての試食会が開かれました。
いけすの中を泳ぐ黒い魚。「チョウザメ」です。いかつい見た目をしていますが、卵の塩漬けは世界三大珍味の一つ「キャビア」として知られ、身もおいしく食べられることから、近年、国内で養殖が増えています。
ここは3年前にできた飯田市にある養殖場。現在、3種類・約7500匹が養殖されています。 高森町の商工会有志が会社「CavLuck(キャブラック)」を立ち上げ管理しています。
20日は壬生照玄町長など町の関係者を招いて見学会を開きました。 「CavLuck」代表の吉澤充さん(45)。チョウザメ養殖を始めたのは、飯田市に県内唯一の駅ができる「リニア中央新幹線」の開業を見据えてのことです。
CavLuck・吉澤充代表: 「飯田市に駅ができるのに、高森町を素通りされるのも悲しい話だと。何かないかな、天竜川を使ってと考えた時に、海なし県のここでチョウザメを飼っていると、見に行きたいと思ってもらえるのではと考え、インパクトを与えるために」
目を付けたのが天竜川の地下水。1年を通して水温17℃前後に保たれるためチョウザメの養殖に適しています。養殖場では、地下水を引き上げて使っています。 CavLuck・吉澤充代表: 「成長はすごくいい。地下水の温度が抜群に良く、冬でも夏でも変動がないので、すぐに大きくなる。いけすは今は狭くて苦しい状態」
魚類の繁殖に詳しい北海道大学の専門家の指導も受けていて、今年4月には初めて卵から稚魚をかえす人工ふ化にも成功しました。今後、高森町内にも養殖場を増やす計画です。 チョウザメの養殖は隣の豊丘村などでも行われていますが、町も新たな特産品になる可能性があると期待を寄せています。 高森町・壬生照玄町長: 「(チョウザメの養殖が」うまくま町づくりにつながっているところはまだ少ないかと思うので、チョウザメをきっかけにして、町が盛り上がるような。高森町という名前を知るきっかけになるように期待を込めている」