「インテル、入ってる」を“無断使用”と多くの企業へクレームも…インテル社の“苦しすぎる主張”の中身
背景は、単なるアイデアへの独占欲か
おそらく、インテル社の本音としては、真に「○○○インサイド」をブランドとして独占したいというより、「○○○インサイド」という形式のキャッチフレーズによって、「○○○」の認知度を高めるというアイデアを他社に使われるのが悔しいだけだろう。 実際、異議対象とされた商標のうち、例えばKDDIの「KDDI Module Inside」、安川電機の「GaN-Tech INSIDE」、MUJINの「MUJIN Inside」などは、電子機器などにおいて「自社の部品やテクノロジーが搭載されている」ことを示すためのロゴだ。これらは確かに、「インテル・インサイド」をヒントにした手法ではあるだろう。
自分の顧客に嫌われないのか心配だ
しかし、だからといって、これらのロゴを見たエンドユーザーが、「インテルが入っているんだな」「インテル社の商品かな」などと勘違いする可能性は皆無である。だって「インテル」って書いてないんだもの。そうである以上、インテル社にはなんの不利益ももたらさないし、もちろん法的にも正当である。当然、異議申立もことごとく退けられている。 それにしても、インテル社は、パソコンを何千台、何万台と購入しているであろう大企業を含め、こんなにも全方位に対してワケの分からないケンカを仕掛けて大丈夫なのだろうか? こんなことばっかりやっているから、近年はAMDやNVIDIAなどの競合に押されているのだ。このような姿勢をこれからも続けるならば、ますます「なんて失礼な会社だ!これからはインテル入ってないパソコンを調達しろ!」なんて話が加速するばかりだろう。
友利昴