日本で「グローバルエリート」は育つか? 早慶上智の若者たち9人に聞いた
グローバルに活躍する機会は誰にでもある
長谷川:みなさんの話を聞いているとスタートが早いですね。大学に入学してからでも遅くはないと思うひとはいませんか? 柴田悠帆(以降、柴田):はい、僕は愛知県一宮市の出身で、田舎というほどではないですが、親から勉強しろとか言われたことはないです。高校までは塾にも通っていませんし、勉強というよりは、野球ばかりしていたスポーツ少年でした。 長谷川:そんな柴田さん、いまは慶応大学で塾内留学支援団体KEPROの代表です。シドニー大学に留学してから、ほか学生たちの留学を支援する立場になっていますね? 柴田:グローバルに活躍する機会は誰にでもあると、ほかの学生たちに知らせたいんです。僕はいわゆるエリート教育の家庭で育っていない。地元に帰省した時には「親に迷惑かけない範囲で、大学に行こうか迷ってる」とか「工場を継ぐから大学には行けない」みたいな話をよく聞きます。地方の子たちが自己実現に自分で蓋をしてしまわないように、まず自分が地方から海外に出て行くことができたこと、 そうしたロールモデルを体現して勇気づけたいと思っています。大学に入ってから、あるいは卒業後だって、世界に目を向けるのはまったく遅くないんです。 長谷川:それは勇気づけられる言葉ですね。みなさんは、将来はどんな夢がありますか? 山田麟太郎(以降、山田):僕はMPower Partnersのような、ESG重視のスタートアップ投資をしているベンチャーキャピタルに興味があります。資本市場のなかでソーシャルインパクトがより評価されるような社会に参画していきたいんです。 長谷川:山田さんは、いまインパクト投資や、コーポレートファイナンスについて勉強しています。 山田:はい。もともと大学一年生のときに、NewsPicksで経済記事の発信をしていてESGスタートアップ投資には詳しかったのですが、海外での勉強には興味はなかったんです。でも大学のゼミの一環でスタンフォード大学に行く機会があって、短期間ですが、第一線の学生たちに触れることで自分の中でなにかが変わりました。