「牡蠣の早むき選手権」全国大会開催 優勝者はアイルランドの世界大会へ
優勝した福岡県の薬師寺文弥さん(右端)と「ミス・ワールド特別賞」を受賞した仙台市の草貴子さん(左端)
生牡蠣を殻からむく速さと美しさを競う牡蠣の早むき選手権「ジャパン オイスターフェスティバル2015」の全国大会・決勝戦が20日、埼玉県越谷市で開催された。広島と宮城の予選を勝ち抜いた6名がファイナリストとして出場し、全国各地のオイスターバー店員や牡蠣の生産者までさまざまな経歴を持つ人々が熱戦を繰り広げた。
アイルランド産の牡蠣に苦戦
牡蠣の早むき選手権は、生牡蠣30個をむくスピードだけでなく、きちんと貝柱が切れているか、傷がないかなどという牡蠣の状態、盛り付けの美しさなどを総合的に評価し、参加者が順位を競い合うイベント。2012年東京で初開催され、今年は広島県で西日本予選、宮城県で東日本予選が開かれた。埼玉県越谷市のイオンレイクタウンで開催された決勝戦では、今年のミス・ワールド日本代表の中川知香さんやアイルランド大使館員らが審査員を務め、約100人の観客が集まった。決勝戦の優勝者は、アイルランドでの世界大会に出場できる。 決勝戦では世界大会の舞台・アイルランド産の生牡蠣を使用。アイルランドの音楽が流れる中、牡蠣むきに挑戦した出場者たちは「アイルランドの牡蠣は、普段むいている牡蠣より固い」と苦戦している様子だった。
「手首のスナップが大事」と優勝者
優勝したのは、福岡県から出場したオイスターバー店員、薬師寺文弥さん(西日本予選1位)。牡蠣のむき方、盛りつけ方の加点・減点を行った後のタイムは、4分33秒だった。牡蠣むき歴3年という薬師寺さんによると、生牡蠣むきのコツは「手首のスナップを効かせること」という。薬師寺さんは「優勝するとは思っていなかったので泣きそう。世界大会も頑張りたい」と抱負を述べた。 決勝に出場した6名の出場者のうち、唯一オイスターバー店員ではなかった仙台市の草貴子さんは、実家が宮城県女川町の牡蠣養殖生産者。実家は東日本大震災で被災した後に牡蠣の養殖をやめたため、約5年の牡蠣むきブランクがあったが、牡蠣むきキャリア40年の実力で東日本予選を1位通過した。「女川の復興に華を添えたい」と奮闘した草さんは「ミス・ワールド特別賞」に輝き、賞品のアイリッシュウイスキーを手に「とても嬉しい。今夜応援に駆けつけた夫と、飲み過ぎないようにお祝いしたい」と笑顔で話した。