女子高生レフェリー・三海世奈さん、U15全国大会で笛を吹く!「目指すはJK初の高校全国大会」【バスケ】
緊張を乗り越え、堂々と笛を吹く
3月27~31日、東京体育館を舞台に行われたBリーグU15クラブによる日本一決定戦、B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024。その初日に女子高生レフェリーの姿があった。実践学園高1年生(当時、現2年生)でC級ライセンスを持つ三海世奈さんである。「それまで準公式戦でしか吹いたことがなく、全国大会どころか公式戦が初めて。しかも、今まで上からしか見たことがなかった東京体育館のコートに立って緊張してしまい、最初はふわふわした気分でした」。そう振り返りつつも、「プレーしている方やチャンスを下さった方にも失礼だし、せっかくの機会なのでちゃんと吹きたいと思っていたら、自然と試合に集中することができました」と滞りなく担当試合を終えてみせた。 JBA公認審判ライセンスは上からS級、A級、B級、C級、D級、E級の6種類(S級・A級は18歳以上が受講条件)あり、担当できる試合が異なる。県大会以上を吹くことができるC級以上の登録者は男女合計で13,887人。その内、女性は1割余りの1,890人(共に2024年3月1日時点)と少ない。まして高校生ともなれば、より少ないのは自明の理である。 三海さんが、初めて審判ライセンスを取ったのは中学3年生の時。元々小学4年生の時に、お姉さんの影響でミニバスを始めると、世田谷区立梅丘中でもバスケ部に所属。関東ベスト8進出に貢献するなど、選手として活躍していたが、高校ではマネジャーをやりたいと考えていたと言う。 「中学3年生の夏に選手を引退した後、中学で活動するクラブチームでマネジャー登録をしてもらい、審判の練習もしていました。高校に進学したあと、チームのためにできることを身に付けられることはないかなと考えていたのです。中学校の顧問の先生の知り合いだったS級の須黒祥子さんの審判姿を見て“かっこいいな”とも感じていたこともあって、その夏にE級を取得しました」。 晴れて実践学園高に進学し、女子バスケ部のマネジャーになると、昨夏には一足跳びにC級を獲得した。バスケ部の顧問である小椋雄大先生は三海さんについて「協調性と社交性を兼ね備えている。明るく積極的な性格で、部内で審判をやる時も毅然とした態度で吹いています」と語ると、「外部コーチと『審判の才能があるよね』と話しています」と称えている。