マツダが「マツダ6」の国内向けモデルの販売を終了。ミッドサイズ セダン&ワゴンの歴史に終止符か
2024年4月中旬には生産を終了予定
2024年1月19日、マツダはフラッグシップモデルであるDセグメント セダン&ワゴンの「マツダ6」の国内向けモデルの販売を終了すると発表した。生産終了時期は2024年4月中旬を予定している。 【写真はこちら】新たなシリーズが時代に適合した走る歓びによって、ユーザーに「いきいき」とした体験を届ける(全9枚) マツダ6は、マツダ自らがフラッグシップと謳う、Dセグメントに属するセダン&ワゴンだ。そのルーツは、マツダのブランドメッセージである「ZoomーZoom(ズーム ズーム)」を象徴し、ブランドDNAを100%体現するミッドサイズカーとして2002年5月に登場した「アテンザ」だ。 アテンザは2008年1月に2代目にフルモデルチェンジされる。初代と2代目は、4ドアセダン、5ドアハッチバックの「スポーツ」と5ドアワゴンという、3つのボディタイプをラインナップしていた。現行型となる3代目は2012年11月に登場。ボディタイプはセダンとワゴンのみとなる。 2019年7月のマイナーチェンジ時に、マツダ車のネーミングをグローバルで統一するという方針から、車名を輸出仕様と同じ「マツダ6」に変更した。ちなみに、初代/2代目のアテンザはヨーロッパなどでは「マツダ6」の車名で販売されていた。 歴代のアテンザ(およびマツダ6)は、クルマの普遍的かつ本質的な価値を追求し、一貫して「走る歓び」を体現し続けてきた。2023年12月末の時点で、初代アテンザから現行マツダ6の全ボディタイプで、国内市場においては累計で22万6437台を販売してきた。だが最近ではセダンやワゴン人気の下火により、2023年の年間販売台数は2000台強といったところ。セダンとワゴンの比率は、ほぼ半々。自販連の通称名別ランキングでは、50位までにランクインしていない。
日本市場における国産セダンは壊滅状態に近い?
マツダでは「今後は、セダンはマツダ3が、ワゴンはCXシリーズがその役割を受け継ぎ、時代に適合した走る歓びによってお客様にいきいきとした体験をお届けする」とアナウンスしている。 いまや、日本のDセグメント セダン&ワゴンはマツダ6だけでなく、壊滅状態に近い。トヨタ マークII(およびマークX)は既に2019年にフェードアウトし、マツダ6が販売終了となれば、残っているのはレクサス IS、日産 スカイライン、スバル WRXとレヴォーグ(ワゴンのみ)くらいだ。セダンを生産していない日本メーカーも増えている。 だが、マツダ6などがターゲットとしていたヨーロッパのDセグメント セダン&ワゴンは、日本でも人気を集めている。SUVやミニバンなら日本車で十分だけれど、Dセグメントのセダン&ワゴンを買うなら、やはり本家(?)の「ジャーマン3」であるCクラス/3シリーズ/A4へと流れてしまうようだ。 マツダとしては、1970年に登場したカペラ(一時期はクロノスと被るが)から連綿と続いてきたミッドサイズ カーの歴史は、これで終止符を打つのだろうか。生産終了時期は2024年4月中旬を予定しているが、受注は生産台数に達した時点で終了となる。 最後のマツダ ミッドサイズカーを新車で手に入れたいと考えている人は、終了までに注文可能な車種やグレードなど、詳細に関しては近くのマツダ販売店に問い合わせてみて欲しい。なお、輸出仕様に関しては生産は継続される。(文:篠原 政明)
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