10キロ先にあるスーパーの方が「安い」ため車で行くのですが、「ガソリン代」を考えると本当にお得なんでしょうか?
スーパーで売られている商品は、店舗によって大幅に価格が変わることがあります。安いスーパーを利用したくても、遠い場合にはガソリン代が気になり、利用をためらう方もいるでしょう。 スーパーの価格差とガソリン代を比較した場合、どちらを優先すると節約効果が高まるのでしょうか。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説 今回は10キロメートル離れたスーパーに行くときにかかるガソリン代と、スーパー同士の商品の価格差が10%ある場合のコストパフォーマンスを比較します。
10キロメートル走行したときのガソリン代はどれくらい?
今回の検証にあたり、以下の条件でコストパフォーマンスを算出します。 ●車の燃費は15km/Lミニバン・20km/Lコンパクトカー・30km/Lハイブリッドカーの3パターンで計算する ●ガソリン代は経済産業省資源エネルギー庁が発表する2024年6月3日時点の全国平均価格「174.8円/L」を採用 ●スーパーの購入額は総務省統計局が2019年に発表した「2019年全国家計構造調査」より、1ヶ月あたりのスーパーにおける平均支出「3万6729円」を採用 ●スーパーの来店頻度は農林水産省が実施した「買い物と食事に関する意識・意向調査」より、最も多かった「1週間に1~2回」を採用し、1ヶ月に8回行くものと仮定 ●スーパーの店舗同士の価格差は10%と仮定 なお、今回の計算ではほかのスーパーや小売店には寄らず、1つの店舗に直行した場合で計算します。 ■車の燃費別で比較 同一距離であっても、車の燃費性能によってかかるガソリン代に違いが生じます。今回は、ファミリーが買い物でよく使う車種として、ミニバン・コンパクトカー・ハイブリッドカーの3つを例に計算します。 今回の条件に当てはめた場合にかかるガソリン代は、表1の通りです。 表1
※筆者作成 実際の走行では路面状況が整っていないケースも考慮されるため、上記のガソリン代はあくまで目安として参考にしてください。
スーパーの消費額とガソリン代を比較
続いて、10キロメートルを往復した際にかかるガソリン代と、遠いほうのスーパーを選んだ場合の節約効果を比較します。前述した通り、一般家庭におけるスーパーの消費額は、1ヶ月あたり「3万6729円」として計算します。 今回の条件では、遠くのスーパーを選んだ際の商品価格の差は10%、買い物に行く回数は1ヶ月に8回です。「3万6729円×0.9÷8」で、1回あたりに使う購入金額は、およそ4132円の計算となります。 一方、近いほうのスーパーの場合は、およそ4591円で、両者の差はおよそ459円です。つまり、遠いほうのスーパーを選んだ場合に得られる節約効果は、1回の買い物につき約459円であることが分かります。 先ほど計算したガソリン代は往復で約116円~234円です。スーパーで節約できる金額からガソリン代を差し引いても、225円~343円ほどお得です。 したがって、ガソリン代よりもスーパーの価格差を優先したほうが、節約効果は高いといえるでしょう。