ホンダの歴史が大きく変わる新型0(ゼロ)シリーズの特徴とは? 44年ぶりに刷新した新しい“Hマーク”も採用へ
ホンダが発表した新たな EV「0(ゼロ)シリーズ」の特徴、大谷達也が解説する。日本のEVが大きく変わるかもしれない! 【写真を見る】ホンダの新型0(ゼロ)シリーズの詳細はこちら!!!!
これまでのホンダ車とは違う!
米国ネバダ州ラスベガス市で開催中のCES2024(かつてのコンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でホンダが新しいEVシリーズを発表した。 0(ゼロ)と名付けられた新シリーズは、ホンダがEV専用に開発した次世代アーキテクチャーを採用し、今後ホンダが展開するEV戦略の主軸をなすものとして位置付けられている。その第一作は2026年にデビューする見通しだ。 CES2024の会場に展示されたコンセプトカーは「SALOON」と「SPACE-HUB」の2台。どちらも、サイドビューは一筆書きで描かれたようなモノフォルムで、これまでに登場したどのホンダとも異なる斬新なプロポーションを採用している。また、インテリアは明るく開放的で、ダッシュボード全面をディスプレイとしたシンプルで未来的なデザインとされている。 ちなみにSALOONは、その名のとおり従来のセダン的な価値を、そしてSPACE-HUBは背の高い全高からも想像されるとおり乗員がゆったりと寛げるミニバン的な価値を提供している模様。ただし、このほかにも0シリーズ全体としてはSUVを始めとする多彩な車型がデビューするという。 すべてがゼロから開発されるというEV専用アーキテクチャーはEVに最適化されたプラットフォームを土台とし、ホンダが独自に開発したビークルOS(パソコンやスマートフォンのOSに相当するソフトウェア)を採用。この上に、運転支援装置(ADAS)のホンダ・センシング、インターネット上のクラウドとコミュニケーションするホンダ・コネクトなどのアプリケーションが載る構成となる。 では、0シリーズのコンセプトとは、どのようなものなのか? すでに市場に出まわっているEVの多くは、長い航続距離を実現するために大量のバッテリーを搭載しており、結果的に車重は重く、全高は高くなっている、と、ホンダは指摘。そこに搭載されたデジタル技術にしてもエンターテインメント中心の付加的なものが大多数を占めている。こうした既存のEVを、ホンダは「Thick,Heavy,but Smart(分厚く、重く、だけどスマート)」と、表現する。 いっぽうの新型0シリーズは「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」を目指すという。 これを実現するため、フロア高を抑えた“薄い”EV専用プラットフォームを開発。全高の低いスタイリングを生み出すとともに優れた空力性能をもたらすほか、パワートレインを含めた車両全体の効率化を図って電費(エンジン車の燃費に相当する性能)を改善し、少ないバッテリーで十分な航続距離(300マイル=約480kmが目標)を達成すると語る。また、世界初のカーナビゲーションシステムを開発するなど、ホンダがこれまで培ってきた自動運転技術を最大限に活用することで、安心かつ安全なADASやIoTのほか、インターネットと接続してさまざまな機能を実現するコネクテッド技術などを搭載する計画だ。