「べらぼう」美しき女郎たちに小芝風花、福原遥ら初大河組続々!女将役に『吉原炎上』の名女優
同じく「座敷持ち」として玉屋で働く志津山に、大河初出演の東野絢香。蔦重が初めて作る本「一目千本」にも登場。「一目千本」とは吉原の店や遊女から協賛金を集め、吉原名うての遊女たちを花に“見立てて”紹介する限定本のことで、志津山は「葛の花」として見立てられる。
そして、吉原の新興勢力・大文字屋の遊女・誰袖(たがそで)に大河初出演の福原遥。禿上がりの振袖新造の時には「かをり」と名乗り、蔦重に片思い。吉原を代表する花魁に成長してからは、老中・田沼意次(渡辺謙)の懐刀ともいえる勘定組頭を務めていた幕臣・土山宗次郎に祝儀を含めて1200両という莫大な金額で身請けされ、江戸中にその名を広めることとなる。しかし、その金の出所についてある疑惑が生まれ、吉原と江戸幕府、蔦重と誰袖の人生を揺るがす大事件へと発展していく。
最下層の遊女屋「河岸見世」(二文字屋)に転落したちどりに、大河初出演の中島瑠菜。「河岸見世」には、年齢や病気、愛想のなさなどさまざまな理由で行き場を失った遊女たちが集まる。なじみの客でかろうじてにぎわう老舗妓楼に比べ、市中の岡場所(非公認の遊郭)に客を取られ、客足の遠のいた河岸見世では常に貧しさと病が蔓延している。
かつては松葉屋の高級女郎だったのが、体を壊し「河岸見世」に身を落とした薄幸な朝顔に、愛希れいか。愛希も大河初。幼少期の蔦重と花の井に赤本(子ども用の絵本)を読み聞かせ、蔦重が本の世界の楽しさ、面白さを知るきっかけとなった。
そのほか、映画『花宵道中』(2014)で花魁役で主演を務めた安達祐実が、吉原の女郎屋「大黒屋」の女将りつ役で出演。映画『吉原炎上』(1987)で最下層に転落する女郎を演じたかたせ梨乃が、行き場のない遊女たちを抱える河岸見世「二文字屋」の女将に。水野美紀が、代々瀬川という伝説の遊女を輩出する老舗の松葉屋の女将・いねを演じる。(編集部・石井百合子)