PK戦で3人連続失敗のなでしこ、パリ五輪までに克服すべき課題
4月6日からアメリカで女子サッカーの国際大会「シービリーブスカップ」が開催された。パリ五輪に出場するアメリカ・カナダ・ブラジル、そして日本の4カ国が集まってのトーナメントである。 【写真】4月9日、シービリーブスカップ3位決定戦のブラジル戦で先制ゴールを決めた田中美南 参加したなでしこジャパンは初戦でアメリカに負け、続く3位決定戦でブラジルにも負けてしまった。 オリンピックを前に手の内を見せたくないという作戦があったのかどうなのかは分からないが、池田太監督はアメリカに連れていった選手全員を使ってそれぞれのコンビネーションを見たかったのではないだろうか。 ■ パリ五輪、予選リーグの相手が決定 これに先立つ3月20日、パリでパリ五輪での対戦相手を決める抽選会が行われた。女子サッカーは12チームが3組に分かれて予選リーグが行われ、各組の2位以内が自動的に決勝トーナメントに進む。また3位の中の上位2チームも決勝トーナメントに進むので、計8チームで決勝トーナメントが行われる。 日本と同組になったのはW杯で初優勝を果たしたスペイン、ブラジル、そしてナイジェリアだ。詳しい日程を紹介すると、7月26日にスペイン戦、そして29日にブラジル戦、最後は8月1日のナイジェリア戦となっていて中二日のタイトな日程となっている。 FIFA女子サッカーランキングではスペインが1位で、日本は7位。またブラジルは10位で、ナイジェリアは36位である。
なでしこは強敵スペインと昨年7月のW杯グループステージで対戦しているが、この時はなでしこのカウンター攻撃がハマって4-0と快勝、世界中のファンのド肝を抜いたのは記憶に新しい。結局、スペインはW杯で優勝を果たすが、そのスペインが唯一黒星を喫した相手がなでしこだった(なでしこはベスト8)。 なでしこvsスペイン戦でもっとも輝いたのは、2得点をあげた宮澤ひなただった。「シュートをすればゴールが決まる」とばかりに得点を重ねる神がかり的なプレーはまさに称賛に値するものだった。最終的には宮澤はW杯の得点王にも輝いた。 だが残念なことに、W杯後にイングランドに移籍した後、ケガによって出場する機会が大幅に減ってしまった。その影響で、2月のパリ五輪アジア最終予選では出場メンバーから漏れていた。今回のシービリーブスカップでようやく代表復帰を果たしている。 ■ アメリカ戦で分かった日本の弱点 さて、アメリカで行われた試合を振り返ってみよう。まずは初戦のアメリカ戦である。 先発はFWにいたのが植木理子でそれをフォローするように清家貴子、谷川萌々子、藤野あおばを並べ、長谷川唯と長野風花をボランチに置き、DFは熊谷紗希と南萌華。そしてSBが守屋都弥と清水梨紗、GKはなでしこの守護神となっている山下杏也加が務めた。