本部長の隠蔽疑われた署員盗撮、80回続いた犯行は盗撮テーマの「教養」後ゼロ…「教養が実を結んだ」と胸張る県警幹部に、議員からは「捜査気付かせる行為」と批判相次ぐ 鹿児島県議会総務警察委
鹿児島県警は3日、前生活安全部長が「野川明輝本部長が隠蔽(いんぺい)しようとした」と訴える元枕崎署員の盗撮事件を巡り、関与の疑いがあった元署員に盗撮などをテーマにした教養(研修)をしたことで「再発を防いだ。教養が実を結んだ」との認識を示した。同日の県議会総務警察委員会で答弁した。委員らからは「捜査していると気付かせる行為だ」「本人は疑われていると感じ取ったのではないか」などと批判が相次いだ。 【検証・鹿児島県警巡査部長盗撮】深まる謎…疑いのある警官は本部長指示に基づき「盗撮」テーマの研修会を受けた。逮捕まで5カ月、県警は「事件を隠せなくなったから捜査した事実はない」と言うが、内部にも疑問の声は止まらない
県警は「新たな被害者を生み出していないという趣旨だ」と説明。野川本部長は「将来の事案を防ぐことで、過去の事案がなくなる訳ではない」と強調した。 教養の詳しい内容を問われた県警側は「把握していない」と答えた。元署員を取り調べる中で、教養をどう受け止めたか確認したかとの質問には、「具体的な聞き取りはしていない」と回答した。委員らは「不自然」「納得できない」などと非難した。 捜査が2日間中断した経緯については「野川本部長の『署で捜査を続け、教養をするように』との指示を、署側が中止と受け取った」と述べた。逮捕までに時間を要した理由の説明を求められると、「えん罪が発生しないよう慎重を期した」と答弁した。 事件を巡っては、元署員がトイレに侵入するなどして複数の女性を計23回盗撮したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)などの罪で起訴され有罪判決を受けた。県警によると、2019年から少なくとも80回盗撮しているが、教養を受けてから逮捕までの4カ月半の間は一度もなかった。
南日本新聞 | 鹿児島
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