「原子力事故に向かっている」 ウクライナ、ロシア占拠原発懸念
【ウィーン共同】ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は8日、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発について、人員不足などの問題もあり「全体的な状況は原子力事故に向かって進んでいる」と述べ、強い懸念を示した。訪問先のオーストリア首都ウィーンで記者会見した。 ウクライナ侵攻が始まって2年が経過。ロシアは欧州最大のザポロジエ原発の占拠を続けており、戦闘に巻き込まれて大事故につながることが危惧されている。ハルシチェンコ氏は、占拠によって原発での「問題は増えている」と主張した。 電源を失う事態が繰り返し発生しているなどと指摘。原発をウクライナ側に返還することが重要だと強調し、ロシアを非難した。 ザポロジエ原発には国際原子力機関(IAEA)の専門家が常駐している。ハルシチェンコ氏は、IAEA専門家などを通じてザポロジエ原発に関する情報を得ていると説明。「われわれは完全に何が起きているのかを理解している」と述べ、ウクライナ側も原発の現状把握はできているとした。