「谷間の世代」成長も 聖光学院、一回の積極走塁実らず センバツ
第94回選抜高校野球大会は第7日の25日、阪神甲子園球場で2回戦があり、聖光学院(福島)は京都国際の辞退で近畿地区補欠1位校から繰り上げ出場した近江(滋賀)に2―7で敗れた。 【近江vs聖光学院 常連校の熱戦を写真で】 ◇ 昨夏の甲子園4強メンバーが多く残る近江について、「野球の力が1ランク上だった」と聖光学院のエース右腕・佐山。地力の差を埋めようと、一回から積極走塁を仕掛けて貪欲に勝ちにいく姿勢を見せた。 立ち上がりにストレートの四球を出すなど制球を乱した近江の先発右腕・山田に対して犠飛で1点を先制し、その後2死一、二塁と畳み掛ける好機。6番・高中の流し打った打球が、浅く守っていた右翼手の手前で弾んだ。この時点で二塁走者は三塁に到達していなかったが、両腕をグルグルと回す三塁コーチを見て本塁に突入。中継プレーがきれいに決まり、タッチアウトとなった。 「三塁コーチを信じて走った」と二塁走者の三好。斎藤監督は「冷静に判断すればストップだが、送球がそれればセーフで五分五分。あのプレーは致し方ない」と三塁コーチを責めなかった。だが、一回に3四死球1暴投と乱れた山田は二回以降は無四球。140キロ超の直球にフォークもさえ、聖光学院打線は攻め手を失った。 昨夏に甲子園の連続出場が13で途切れ、現3年生は「谷間の世代」と言われ続けた。そんなチームに斎藤監督は「各自が貪欲に課題に向き合い、面白いチームだった」。山田が見せたすきにつけ込みきれなかったが、この敗戦をさらなる成長の糧にする。【伝田賢史】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。