湖の底に沈む遺跡「愛着深めるきっかけに」 縄文期の丸木舟など出土、魅力伝えるパンフ
琵琶湖の水中遺跡の魅力発信に力を入れる滋賀県は、遺跡の特徴や面白さを伝えるパンフレット「水中遺跡の謎と魅力」を作成した。12月には長浜市で学芸員による講演会や出土品の展示も行い、より多くの人に興味を持ってもらうことを目指している。 【地図】来月学芸員による講演会が開かれる滋賀県長浜市 琵琶湖の水中遺跡は1924年、漁師が長浜市沖で古代の土器を引き上げたのが初の発見例とされ、これまでに旧石器時代から江戸時代にかけての集落跡や寺社跡など78カ所が見つかっている。木製品が朽ちにくく、良好な状態で残るのが地上の遺跡との違いという。 パンフレットは10月に完成。琵琶湖の地図に全ての遺跡の位置を示したほか、縄文期の丸木舟、船で無事に荷物を運ぶことを神に誓う平安期の木札、食べかすである木の実や魚の骨などの出土品を紹介しつつ、遺跡からうかがえる当時の湖上交通や食生活の実態を解説した。A4判8ページで千部作成。県ホームページでも公開している。県文化財保護課は「滋賀ならではの魅力ある文化財。多くの人に知ってもらい、琵琶湖への愛着を深めるきっかけとしたい」とする。 講演会は12月8日午後1時から長浜市湖北文化ホール(同市湖北町速水)で開催し、琵琶湖博物館の学芸員らが水中遺跡の魅力を伝える。無料。申し込み不要で定員は先着250人。同7~15日には同ホールで出土品を並べた展示会(入場無料)も開く。問い合わせは同課077(528)4674。