上村松園の展覧会が大阪中之島美術館で開催へ。巡回なし、大阪の美術館で初の展覧会に100点以上の作品が集結
松園芸術の真価を振り返る
大阪の美術館で初、そして巡回なしの上村松園の大回顧展「生誕150年記念 上村松園」が大阪中之島美術館で開催される。会期は3月29日~6月1日。 松園が誕生して150年の節目を迎えることを記念し、数々の作品によってその画業をあらためて紹介する本展では、珠玉の名作を含む作品群によってその画業を振り返る。また、女性として初めて文化勲章を受章し、池田蕉園や島成園をはじめ多くの女性日本画家が誕生する契機にもなった松園芸術の真価を振り返る機会となる。 京都に生まれた上村松園(1875~1949)は、京都府画学校を経て、鈴木派の鈴木松年と四条派の幸野楳嶺、竹内栖鳳に学び、並外れた努力を重ねて名声を築いた女性画家。男性で占められていた明治期の美術界にあって、実力派として頭角を現した松園の存在は際立ち、秀逸な才能で早くから全国的に注目された。文部省美術展覧会(文展)などで制作発表を行い、美人画の第一人者として大正から昭和期にかけて活躍し、74歳で亡くなるまで画業をまっとうした。 4章で構成される本展。《母子》(重要文化財)、《序の舞》(重要文化財)をはじめ、初期から晩年まで、松園の画業をたどる100点以上を展示。また、完成作に関連する表現豊かな下絵や素描(松伯美術館蔵)も、多数紹介されるという。 会期中には中村麗子(東京国立近代美術館 主任研究員)、山田諭(美術史家)をそれぞれ招く講演会、北原恵(大阪大学 名誉教授)、小川知子(大阪中之島美術館 学芸員)によるレクチャーも予定されているため、気になる方は公式サイトをチェックしてほしい。
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