崖っぷちから横浜DeNAを連勝させた日本シリーズ特有の心理ゲーム
3連敗の崖っぷちから、横浜DeNAの連勝で舞台は再び福岡へ戻ることになった。 勢いは横浜DeNAにある。 お立ち台で筒香や山崎が何を聞かれても「普通です」とふざけ始めると、もう横浜DeNAペースである。 日本シリーズに入って本塁打も打点もなかった音なしの4番、筒香に当たりが戻ったことが大きい。ここまで振りが大きすぎたし、読みと逆をつかれると、バットがフリーズしてしまっていたが、この日は、その呪縛から解き放たれていた。 ラミレス監督も、「やってくれると信じていた。昨日はあまり結果が出なかったが、今日は絶対に打ってやる、という気持ちを持っていたし、彼が打ってくれたことで勝てた」と、目覚めた4番打者を絶賛した。 前述の池田氏は、「崖っぷちに立たされた集中力でしょう」と見ている。 一方、ソフトバンクは、柳田が8回の守りからベンチに下がるなど、工藤監督は故障再発を完全否定したが、不安な一面も。 「横浜DeNAに勢いが出てきた。数字上は3勝2敗で、横浜DeNAが1敗もできない状況は変わらないが、互角になったと見ていいのではないか」というのが、池田氏の見立て。 過去の日本シリーズで3連敗からの逆転日本一は3度。1958年の西鉄(対巨人)、引き分け後の3連敗から4連勝で広島に逆転した1986年の西武、1989年の巨人(対近鉄)だ。1986年の西武には工藤監督がいた。 ハマスタの場内インタビューで「もちろん日本一になれると信じています」とラミレス監督は言った。