これ欲しい! 豪華寝台列車のクラシックな旅を彷彿させる「ビュリー」のトラベラーズキット
ファッションからカルチャー、旅やホテルからガストロノミーまで、ラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行っているコラムニストの中村孝則さんが、毎回1つのテーマのもとに真の“贅沢”をご紹介する連載です。今回のテーマは……。
■ 『ビュリー』の「グレート トラベラーズ ビューティキット」
これは欲しい!と、筆者も思わずひと目惚れしたのがこちらのアイテム。「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」が、先頃発表した『グレート トラベラーズ ビューティキット』です。過去と現在のエレガントな列車旅がイメージというだけあり、クラシックなパッケージデザインは、往年のオリエント急行の旅の雰囲気を彷彿させます。
ワインレッドのケースの内側にミラーをセットした『グレート トラベラーズ ビューティキット』。歯みがき粉、ハンド&フットクリームやシャンプー、コンディショナーのほか、アイボリーカラーのアセテート製コームや水性香水など、13アイテムが収められています。
オリエント急行は国際寝台列車として、1883年から運行。アガサ・クリスティの小説をはじめ、数多くの文学作品や映画、音楽やファッションのイメージソースとしても影響を与え続けています。それは当時最先端の乗り物というだけでなく、車両自体の内外装の豪華な仕立てもあってのこと。ゲストが飛び切りのお洒落を楽しめる舞台装置としての機能も見逃せません。 さしずめ、JR九州が運営する豪華寝台列車「ななつ星in 九州」に象徴されるように、いまも世界を走る豪華寝台列車が大人気の理由は、古き良き優雅な旅の気分が味わえるからなのでしょう。自ずとファッションや旅小物もクラシックなアイテムが似合います。このキットはまさに、そうした雰囲気や気分にピッタリというわけです。
もっとも、こうしたアイテムは列車に限らず、機能優先で味気ないものを選びがち。しかし、旅の醍醐味に非日常の体験を求めるとするならば、一番身近なアイテムに贅を凝らすというのも、近道のひとつなのではないでしょうか。逆に言えば、こうしたアイテムから旅のイメージを膨らませるという、想像のなかで遊ぶこともLEON読者ならお手のものでしょう。
● 中村孝則(なかむら・たかのり)
コラムニスト。世界各地を独自の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務め世界各地で美食探求の日々を送る。 2024年9月号より ※価格はすべて税込み価格です
文/中村孝則