視覚障害者のアイデアから誕生、新たな『黒ひげ危機一発』 誰もが一緒に遊べるおもちゃへの思い
日テレNEWS NNN
誕生してから約半世紀、おもちゃ『黒ひげ危機一発』の、シリーズ91作目が18日に登場。誰もが一緒に遊べるおもちゃ“共遊玩具”を目指した物作りついて、視覚障害があるメーカー担当者を取材しました。 【画像】大人心をくすぐるおもちゃ 新しく登場するのは、『にぎやかサウンド♪ 黒ひげ危機一発』。タルの穴に順番に剣を刺し、海賊の黒ひげ人形が飛び出した人が負けとなる、おなじみのパーティーゲームです。
■おもちゃ作りに、当事者のアイデアを
『黒ひげ危機一発』が、ロングセラーとなっている理由について、タカラトミー・企画開発課の大金美奈子さんは、「タルがあって、穴が開いていて、人形が入っていて、剣がある。初めて見た人でも、わかるのでは」と、シンプルさをあげました。 本作の最大の特徴は、デザインの異なる4色の剣と、剣をタルに刺すたびに聞こえる様々な効果音です。実はこちらのメーカーでは、年齢や障害の有無に関わらず、誰もが一緒に遊ぶことができる“共遊玩具”の開発に取り組んでいて、この特徴は全盲の社員のアイデアから生まれたものだといいます。
■障害者も楽しさを共感できる“共遊玩具”
今回の『黒ひげ危機一発』の企画に参加したタカラトミー社会活動推進課・高橋玲子さんは、生まれたときは目の前の物の色や、形がようやく分かるほどの視力でしたが、4歳の頃に全盲になったといいます。高橋さんは、「私が小さいときには『黒ひげ危機一発』が、世の中にあったんですけど、私は『黒ひげ』が飛び出してくるのが怖くて、あまり『黒ひげ』で遊んでいなかったんです」と、振り返りました。 そんな、子供の頃の経験を生かし、高橋さんは「新しい『黒ひげ』を作りたいという話があったときに、音も入れられないかなとか、『黒ひげ』が飛び出してくるときに、あまり怖くないように飛び出したときに楽しい音がしてくれるといいなと思いました」と、提案したそうです。
高橋さんのアイデアを採用し、タルに剣を差し込むと音が出るようになった『黒ひげ危機一発』。その効果音は、どのように決めたのでしょうか? 企画開発課の大金さんは、「小さい子供が遊ぶので、動物の鳴き声はマスト、だけど大人も遊ぶかもしれない。一緒にもっと小さなきょうだいも遊ぶかもしれない。と考えたときに、全年齢の人たちが、普段の生活で身近に聞く音や、よく知っている音を絶対に入れようと決めました」と明かしました。 動物の鳴き声や、日常で聞こえる音など全部で18種類を内蔵。また、黒ひげ人形が飛び出すときには、楽しい気持ちを演出するためファンファーレにしたそうです。