愛知・名古屋の第3日曜日は「家庭の日」 ── この日の重要性とは?
愛知県名古屋市は、1966年に毎月第3日曜日を“家庭の日”に制定。この日をきっかけに毎日が“家庭の日”だと思えるような気づきの提案などをしている。この日の主な啓発活動と重要性を聞いてみた。
多彩な発表を通じ、イベント全体で“家庭の日”を啓発
10日に日本ガイシホール(名古屋市南区)で開催された「ファミリーデーなごや」。 “家庭の日”の普及啓発を目的とするこのイベントは、名古屋市のPTA協議会と名古屋市教育委員会等が協力し平成14年にスタート。参加型のブース企画やステージ発表など家族で楽しめる内容で、毎年約2万5000人の来場者を集めている。 今年のイベントの魅力をファミリーデーなごや実行委員会事務局の方に聞くと、「各区の小中学校や幼稚園のPTA協議会が企画するブースは盛況でした。バルーンアートやおもちゃ作りなど、親子で一緒に作る楽しみを感じたり、多くの大人とのコミュニケーションを図ったりすることもできたのではないかと思います」と語った。 来場者の名古屋市緑区在住の竹内さんファミリーも「一つひとつのブースが家庭の日を意識させるのではなく、イベントを楽しく過ごすことで家庭の日を意識できたような気がします」と話してくれた。 ブース以外にも、子どもたちのチアガールやフラダンスサークルなど多彩なグループのステージ発表や“家庭の日”をテーマにしたポスターと作文の展示、中日ドラゴンズの英智コーチのトークショー、チアドラゴンズによるダンス教室、名古屋グランパス・スクールコーチによるサッカー教室など、充実の内容で大人も子どもも飽きさせないイベントとなった。
名古屋市における「家庭の日」
名古屋市では「毎日をともに過ごす家族の素晴らしさや、話し合いができる家族のありがたさが身近にあるため、当たり前に考え、かえってその価値を見失いがち。家庭の大切さ、家庭の役割のすばらしさについて改めて考える機会」としてもらうため、“家庭の日”を定めている。 その主な啓発活動は上記のイベント「ファミリーデーなごや」と、“家庭の日”をテーマにしたポスターと作文の作品を募集。過去のイベント参加者からは「親子がふれあう機会ができてよかった」という反響があり、今年度の作品募集では名古屋市立の小中学校に通う児童・生徒からポスター約1600点と作文約150点の応募があった。 愛知県のほかの市町村も同様に“家庭の日”を定め、さまざまな啓発活動を行っている。名古屋市の「ファミリーデーなごや」をはじめ、田原市の家庭の日コンサート「吹奏楽 菜の花コンサート」、蒲郡市の家庭の日親子教室「簡単おやつを作ろう」、阿久比町の毎月“家庭の日”に陸上競技場を無料開放、など活動は盛んだ。 名古屋市が実施する子育て家庭優待カード「ぴよか」は、“家庭の日”に活用したいサービスの一つだ。市内在住で18歳未満の子どもを1人以上持つ家庭(妊婦を含む)は協賛店で割引などの特典を受けることができるが、2014年8月にはサービスが拡大。カード提示だけではなく、携帯電話やスマートフォン画面でのカード画像提示でも特典を利用できるようになった。 協賛店は飲食店や玩具店、日帰り温泉施設などさまざま。“家庭の日”に、利便性が向上した「ぴよか」を持って出かけてみるのもいいだろう(利用可能日は施設により異なる)。 ファミリーデーなごや実行委員会事務局の方も「親子がふれあういい機会。家族の大切さを再認識できる日」と語る、今月の“家庭の日”は18日。毎日多くの時間を家族と過ごすことは難しいが、この日をきっかけに、家庭の大切さや家庭の役割の素晴らしさについて考え、それぞれの“家庭の日”を過ごしてみたい。