投資初心者でも無理なく始められる「新NISAと相性抜群の投資法」
見るべきは10年単位の「増配率」と「取得利回り」
配当株投資を始めて、企業の株を買っても、最初からたくさんの利益を得ることはありません。相当な特需でもない限り、株を買った翌年に1株当たりの配当(1株配)が倍になるようなことはなく、基本的には1株益の上昇に応じて、緩やかに増配することになります。 ※1株益:1株当たりの利益がどれだけあるかを示す値で、「当期純利益÷発行済株式数(自己株式を除く)」の計算式で求められる、企業を評価する際の指標の1つ。 過去10年でどのくらい1株配が増加しているか、取得利回りが上昇したかを見れば、日本を代表する企業の大型銘柄が着実に増配していることが理解できます。 ※取得利回り:株の購入額に対する配当金の割合。 例えば、配当株投資の有力候補となりうる大型銘柄について、2014年3月期から2024年3月期までの1株配の動きと増配率、取得利回りを見ると、いずれも2倍以上になっています。 【銀行】 三菱UFJフィナンシャル・グループ ・1株配:16円→41円(増配率2.56倍) ・取得価格500円なら、利回り8.2% 三井住友フィナンシャルグループ ・1株配:120円→270円(増配率2.25倍) ・取得価格3500円なら、利回り7.7% 【商社】 三菱商事 ・1株配:22.67円→70円(増配率3.09倍) ・取得価格600円なら、利回り11.7% 【通信キャリア】 NTT ・1株配1.7円→5円(増配率2.94倍) ・取得価格50円なら、利回り10.0% KDDI ・1株配43.33円→140円(増配率3.23倍) ・取得価格1500円なら、利回り9.3% 【損害保険】 東京海上ホールディングス ・1株配23.33円→121円(増配率5.19倍) ・取得価格1000円なら、利回り12.1% 注目4業種の6つの銘柄の1株配を振り返ってみましたが、このように10年以上の時間をかければ、1株配が2倍から3倍近くになるのは普通に起こりうることです。目先の株価の動きに一喜一憂せず、長いスパンで配当株投資に取り組んでいけば、こうした結果を享受することが可能になり、増配の恩恵を受け続けることができます。