40代の「個人事業主」です。老後の資金が不安なのですが、「個人事業主」が「年金」を「増やす方法」はないのでしょうか?
近年、働き方が多様化しているため、個人事業主として働く方も多いでしょう。会社員と比較されがちな個人事業主ですが、中でも退職金や厚生年金の有無は大きな違いといえます。 基本的に定年がない個人事業主ではありますが、いつまでも働けるわけではありません。老後の生活費用として、国民年金だけでは不安に思う方は多いでしょう。 そこで本記事では、個人事業主が年金を増やす方法について解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
国民年金について
国民年金は、日本国内に住んでいる20歳から60歳未満の国民全員が加入する年金制度です。つまり、働き方に関係なく個人事業主も受け取れる制度であるといえるでしょう。 国民年金とは制度の名称であり、いわゆる年金として将来的に支給されるのは、老齢基礎年金と呼ばれるものです。しかし、一般的には国民年金の名前で広まっています。 受け取れる老齢基礎年金の金額は、保険料を納めた日数や年によって異なります。なお、日本年金機構によると、令和6年度の場合は年間81万6000円で、月額で6万8000円です。 生活費は人それぞれですが、老齢基礎年金のみで老後を生活するのは厳しいといわざるを得ません。
個人事業主が年金を増やす方法
老齢基礎年金、いわゆる国民年金のみでは老後の生活費に不安が残る場合、何らかの方法で資産形成をする必要があります。年金を増やすことも、その方法の1つといえるでしょう。 そこで、ここからは個人事業主が年金を増やす方法について解説します。 ■国民年金の受給開始時期を繰り下げる 国民年金の受給開始時期は、一般的に65歳からです。しかし、最大で10年間、つまり66歳~75歳まで繰り下げることも可能です。 国民年金を繰り下げて受給すると、繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されるとされています。つまり、受給額が最大で120ヶ月分の84%まで増やすことができるのです。個人事業主には定年がないため、会社員よりも繰り下げをしやすい可能性があるといえるでしょう。 ■付加年金を納付する 毎月納める国民年金の保険料に400円を上乗せすることで、上乗せした期間×200円が受給額に加算されます。なお、これを付加年金といいます。 ■国民年金基金を利用する 国民年金基金とは、個人事業主向けに創設された公的な年金制度です。 国民年金基金のホームページによると、社会保険料控除として課税所得額から控除できるため、所得税や住民税の軽減につながる可能性があります。 ■iDeCoを活用する 個人型確定拠出年金、通称iDeCoは私的年金制度の1つであり、個人事業主でも任意で加入できます。 投資信託や定期預金、保険商品から商品を選び、掛金を自身で運用しながら資産形成する点が最大の特徴です。つまり、運用の結果次第で年金の受給額が異なります。 また、掛金は所得控除の対象になるほか、運用益は非課税になります。国民年金基金と同じく、税制優遇を受けながら資産形成できる点がメリットの1つだと考えられます。 ■小規模企業共済に加入する 小規模企業共済とは、退職金が存在しない経営者や個人事業主に向けた制度であり、退職金代わりとして掛金に応じた共済金を受け取れるとされています。厳密には年金制度ではありませんが、個人事業主も利用できる資産形成方法の1つです。 掛金は小規模企業等掛金控除の対象となるため、節税効果もあるようです。 ただし、加入期間が12ヶ月を下回ると共済金を受け取れないほか、納付月数が240ヶ月未満では元本割れを引き起こすといわれています。
個人事業主が年金を増やす方法はさまざま
個人事業主が年金を増やすには、主に以下の方法があります。 ●国民年金の受給開始時期を繰り下げる ●付加年金を納付する ●国民年金基金を利用する ●iDeCoを活用する 年金を増やすものではありませんが、個人事業主が老後のためにできる資産形成として、小規模企業共済への加入もおすすめです。自身に合った方法を選択し、早めに老後の生活への備えをしていきましょう。 出典 日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額 国民年金基金 税制上のメリット 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部