希少性が薄れる中、資産価値の高い超高層マンションやタワマンを選ぶポイントは?
かつて超高層マンションがまだ珍しかった時期には、超高層というだけで即日完売になる物件が珍しくなく、購入後の資産価値も例外なく大きく上昇した。しかし、最近では超高層マンションが増えて希少性が低下、超高層というだけでは売れなくなりつつあり、資産価値の高まりもさほどではなくなっている。それによって超高層マンション選びには慎重な判断が必要になっている。(住宅ジャーナリスト・山下和之) 最高価格200億円!「麻布台ヒルズ」の意外なデメリット 目次今でも年間50棟前後増え続ける超高層マンション超高層ならではの付加価値、プラスαが必要資産価値の高い超高層マンションを選ぶ9つのポイント何を重視するのか、優先順位を決めておく編集部選! ほぼ駅直結の都内タワマン物件
今でも年間50棟前後増え続ける超高層マンション
1990年代末から2000年代初頭にかけて、地上20階建て以上、高さ60メートル以上の超高層マンションやタワーマンションの供給が急増した。90年代は年間10棟前後だったのが、2006年には97棟、2008年には92棟が竣工した。 リーマン・ショック以降は、年間50棟前後に減少しつつも累計棟数は増加し続けている。2000年代初頭までは希少性が高く、中古市場でも資産価値が評価されていたが、現在は希少性が著しく低下。2022年の首都圏新築マンションのうち12.9%が超高層マンション。これは8戸に1戸が超高層マンションということになる。 不動産経済研究所の調査によると、2024年4月の首都圏超高層マンションの契約率は48.3%となった。2023年3月の契約率は92.7%だったから、契約が成立した物件が半数以下というのは、かなり衝撃的なデータといわざるを得ない。
超高層ならではの付加価値、プラスαが必要
超高層マンションの居住性能や資産価値の高さが失われると、超高層マンションならではのマイナス面が前面に出てくるようになる。 ここで超高層マンションならではのデメリットを整理すると、まず建築費が高くつき、分譲価格が高くなると同時に、竣工後の維持費も高くつく。大規模マンションがほとんどなので、さまざまな共用施設が設置され、管理サービスも充実するため、管理費が一般的なマンションなら月額2万円から3万円ですむのに対し、超高層だと4万円、5万円と高くなることが多い。 大規模修繕にも一般の中高層マンション以上に費用がかさむ。外壁の修繕については、地上から足場を組み立てていくわけにはいかないので、屋上からゴンドラをつり下げての作業になり、風などの天候の影響を受けやすく、工期が長引き、費用が高くつくのが一般的だ。 こうなってしまうと、超高層に住みたい、買いたいと思う人が減ることが予想される。つまり資産性のことを考えるなら、単に超高層マンションというだけではない、プラスαを備えたマンション選びが必要となってくる。では、そのプラスαとは何か。次章で詳しくみていこう。
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