まぐ氏

　22日に中山競馬場で行われる第69回有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)。ファン投票で断トツ1位となり有終の美を狙うドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)、2連勝で菊花賞を制覇したアーバンシック(牡3、美浦・武井亮厩舎)、日本ダービーで世代の頂点に立ったダノンデサイル(牡3、栗東・安田翔伍厩舎)、昨年の有馬記念2着馬スターズオンアース(牝5、美浦・高柳瑞樹厩舎)らが集結した。 【写真】ドウデュースこれまでの軌跡 　この豪華メンバーのグランプリをプロ予想家はどう見るか。予想理論『余力ラップ』の使い手・まぐ氏による展望をお届けする (文=まぐ) ◆中盤全て12.5秒以内を記録する高速持続戦 　今年の中山は昨年以上に時計の出る高速馬場が継続しています。3～4コーナーこそインが多少荒れていますが、直線のインコースは綺麗なまま。 　この馬場状態を踏まえて、昨年の有馬記念で抱いた違和感を重視した展望を示します。 　2022年以前の有馬記念はペースを問わず、4コーナーで馬群が凝縮するという特徴がありました。ですが昨年は、4コーナーを回ってもタイトルホルダーが単騎で逃げる形。この隊列になった一因は高速馬場にあります。 　高速馬場故に、L5(ラスト5ハロン)～L3でペースを落とさないまま、走ることができたのです。 　今年は確たる逃げ馬はいませんが、馬場傾向から各陣営が色気を持って主張していく可能性が高そう。特にベラジオオペラに騎乗する横山和生騎手は、この馬を「仮想タイトルホルダー」に見立てて逃げるのではないでしょうか。 　今年の馬場なら中盤全て12.5秒以内を記録する高速持続戦になると予想しています。 　その場合、位置を押し上げるタイミングが少ないため、差しやマクリが利きにくく、強い逃げ・先行馬なら容易に止まらない展開が見込まれます。この前提に基づいて、有力馬を解説していきましょう。 ・ドウデュース 　前半スローで流れて後半が速くなった場合、今の馬場では得意のマクリが利きにくくなる懸念はあります。3～4コーナーのラップが12.2-11.6と速くなった京都記念でマクって完勝している以上、大きく崩れる危険性は低いと判断しますが、先行馬が止まらず、取りこぼす可能性も否定できません。 ・スターズオンアース 　前走のジャパンCは超スローにハマって切れ負け。昨年の有馬記念は4コーナーでドウデュースに並ばれる厳しい展開になりながら、直線で再加速して半馬身差に粘る強い内容でした。 　川田騎手がベラジオオペラをマークして運べば、勝利の可能性は十分。 ・ダノンデサイル 　ダービーのL5(後半1000m)の56.8秒は東京芝2400ｍにおける歴代最速記録。超ハイレベル戦です。 　先行力・瞬発力・持続力を高いレベルで兼備する世代最強馬。瞬時に加速できない点が欠点ですが、速いラップが持続する展開になれば、高い加速力は求められません。 ・アーバンシック 　ここ2戦は出遅れ。位置を取れたセントライト記念は最内枠の利もありました。中山内回りではコーナーを上手く回れるか不安が残ります。 ・シャフリヤール 　穴はこの馬。上がり33.4秒の切れ味で21年のダービーを制しましたが、今では高い持続力を備えた馬になっています。速いラップが持続する中、インをロスなく立ち回れれば。それだけに内枠が欲しいところ。 　有馬記念を当てて、良い年を迎えましょう！