女子総合大学の新たな勝負どころ、昭和女子大が理工系学部
26年度開設、定員110人
昭和女子大学は2026年度に総合情報科学部(仮称)を入学定員110人で設置する計画だ。データサイエンス学科(同)は理工系の学びによる分析と予測を、デジタルイノベーション学科(同)は提案と実装を、それぞれ企業で行える人材を育成する。同大初の本格的な理工系学部で応用領域はビジネス、健康、心理の三つ。同大の存在感を近年高めてきたビジネスや国際の教育手法を取り入れる。女子総合大学の新たな勝負どころと注目されそうだ。 新学部と二つの新学科の設置認可申請は24年度末に行う計画だ。データサイエンス(DS)などデジタル系新学部は、理工系ベースか、社会科学や医学など大学の主領域からのアプローチか、二分されることが多い。昭和女子大では、エンジニアでも単なるITツールユーザーでもなく、仕組みを理解して企業のデジタル変革(DX)を実装できるリーダーの育成を掲げる。 そのため両学科ともまず解析・線形代数や統計学、Python(パイソン)によるプログラミングなど学ぶ。演習・プロジェクトは既存部局で学生の人気が高い心理など3ドメインをターゲットとする。全学部学科向けのDS副専攻があり、逆アプローチともいえる。同大には建築や健康をデザインする専門があるが、本格的な理工系は初。 統計やITは日英両国語で習得しやすい一方、実装では企業や国の文化の理解もいる。そのため同大米国キャンパスの昭和ボストンへの留学や、世田谷キャンパス(東京都世田谷区)に誘致したテンプル大学日本校の本校理工系との交流も生かしていく。 また新校舎の建設計画の中で、デジタル系の共創活動の場となるラーニングコモンズやコワーキングスペースを整備。バーチャルリアリティー(VR)など最新技術ツールによる教育法も導入する。 女子の理工系志向は同大付属中学・高校などでも高まっており、デジタル系女性の輩出に効果が期待される。