日本でもブレイク必至!『トップガン マーヴェリック』のハングマンことグレン・パウエルのナイスな快進撃
サマームービーの目玉である竜巻パニックアクション大作『ツイスターズ』が8月1日より公開中だが、巨大な竜巻と格闘する彼の顔を、なぜか最近よく目にする…。その名は、グレン・パウエル。2024年に入ってから、出演作が3本も公開(うち1本は、日本以外では昨年末公開)。さらに今後も話題作への主演が次々と続く。日本でも“グレパ”と呼ぶファンがチラホラ現れるなど、大ブレイクの前兆も!? 【写真を見る】『ツイスターズ』では竜巻チェイサーとしてカリスマ的な人気を持つタイラー役を好演! グレン・パウエルが映画ファンに広く認識されたのは、今から2年前の2022年。世界的に大ヒットを記録した、トム・クルーズ主演の『トップガン マーヴェリック』だった。教官になったマーヴェリックから指導を受けるハングマンを演じたパウエル。若きパイロットたちの中では、マーヴェリックの神経を逆撫でしたり、仲間の僚機を見捨てたりと問題行動が多いキャラだったうえに、ビーチフットボールのシーンでは筋肉美を惜しげもなく披露するなど、インパクトを残した。 その後、やはり戦闘機パイロット役の『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』は日本では配信のみで、あまり話題にならなかったが、2024年、メインキャストでの出演作が急激に公開ラッシュとなったのである。まず日本では5月に公開された『恋するプリテンダー』は、全世界の興行収入が2億ドル超えという特大ヒットを記録。パウエルが演じる金融マンと、こちらも大人気のシドニー・スウィーニーの弁護士志望のビーが繰り広げるラブコメで、近年少なくなっていたこのジャンルを復活させるという快挙もなしとげた。パウエルは自慢のムキムキ筋肉を、ここでも過剰にアピール! 間もなく公開の『ツイスターズ』は、1996年に大ヒットした『ツイスター』をアップデートさせた新作。パウエルは“竜巻カウボーイ”の異名を持つタイラーを演じている。各地で竜巻を追いかけ、ネットやSNSで人気者となっている、という強烈な役どころ。竜巻に超接近し、破壊しようとする命知らずで常識破りなタイラーを、パウエルは持ち前の豪快さを前面に押し出し、自分の物にしている。ヒーローとしてのカッコよさも必見だ。 そして9月13日公開の『ヒットマン』では、殺し屋に成りすます大学講師のゲイリー役で主演。素性がバレないように、依頼主に合わせて七変化するゲイリーで、パウエルはさまざまな個性を発揮。俳優としての彼の能力を実感できるうえ、楽しそうに演じる姿を観ているだけで微笑ましい。監督はリチャード・リンクレイター(『6才のボクが、大人になるまで。』)で、パウエルは『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』(16)への出演以来、親友となったリンクレイターとともに脚本を執筆。クリエイターとしての才能も示す一作となった。 ■新作も続々!グレン・パウエル旋風が竜巻のごとく吹き荒れる! 2024年は、このようにグレン・パウエルにとってメモリアル・イヤーとなったが、この後も快進撃は止まりそうにない。 現在撮影中なのは、莫大な遺産を狙う富豪の息子役で主演を務めるスリラー『Huntington(原題)』。人気スタジオのA24が北米の配給を手がけるということで、一筋縄ではいかない作品になりそう。何より、スリラーというジャンルでパウエルの新たな一面が見られるはず。さらに1987年の『バトルランナー』のリメイクに主演が決定。スティーヴン・キングの原作は、主人公が重病の娘を助けるため“人間狩り”ゲームに参加するというセンセーショナルな内容で、前作ではアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた役を、パウエルがどう進化させるのか。監督は『ベイビー・ドライバー』などの鬼才、エドガー・ライト。 また、バイオ化学メーカー「モンサント」社を巡る訴訟を描いた『Monsanto』では、弁護士の主人公を演じることも決まっている。その他にも、J・J・エイブラムス監督のサスペンス『Acoors( 原題)』や、『バックドラフト』のリメイクなど出演予定作がラッシュ状態。一時は『天国から来たチャンピオン』(78)もパウエル主演でリメイクの企画が持ち上がったりもした。 一気にトップスターの地位を確立した感のあるグレン・パウエルだが、初めての映画出演は13歳の時(撮影時)。『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』で手の指が長い少年で登場(グレン・パウエルJr.というクレジット)。短い出演ながら、その面影は35歳となった現在のパウエルにも残っている。2012年の『ダークナイト ライジング』では、悪役のベインから攻撃を受ける株式トレーダーという脇役を演じているが、この役と『スパイキッズ』の役について、パウエルは『ツイスターズ』のプレミアで懐かしく語っていた。 そこから『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(14)でのハッカー役、『ドリーム』(16)の宇宙飛行士ジョン・グレン役など地道にキャリアを積んで、パウエルは『トップガン マーヴェリック』のハングマンへと至るのである。 パウエルに親近感が湧くトリビアといえば、両親との関係。なんとデビュー作の『スパイキッズ3-D~』以来、ほぼすべての出演作に彼の両親がエキストラなどで出演しているらしい。『トップガン マーヴェリック』などインタビュー取材にも両親を同伴するなど、パウエルの家族愛はちょっと異次元レベル。『ヒットマン』のプレミアでは両親が、息子が大した人物ではないことを自虐的に書いたダンボールのプラカードを掲げるなど、パウエルにとって両親は美味しい「ネタ」にもなっている。そんなプライベートの素顔を平気で垣間見せるところも好感度アップの理由で、出演作はもちろん、グレン・パウエルの一挙一動からは今後も目が離せそうにない。 文/斉藤博昭