中田翔に匹敵する補強? 中日に新加入の強打者に「対応能力高い」指摘が
外野の一角を占められるか
今月6日のオリックス戦(京セラドーム)。チームで唯一の得点をたたき出したのは、四番・指名打者でスタメン出場した中田翔だった。1点を追いかける4回に、佐藤一磨の144キロ直球を左翼席に運ぶ同点ソロ。ダイヤモンドを一周する姿には貫禄が漂っていた。 【選手データ】アレックス・ディカーソン プロフィール・通算成績・試合速報 他球団のスコアラーは「中田はある程度イメージできる。実績のある選手ですからね。印象に残ったのが三番に入ったアレックス・ディカーソン。初回に逆方向の左前打を放ちましたが、打撃が柔らかい。変化球をうまくさばく雰囲気があります。メジャーでも打率3割近いハイアベレージを残していた時期がありましたし、対応能力が高いんじゃないですかね。日本野球に向いている選手だと思います」と警戒を強める。 中日の外野陣は大島洋平、岡林勇希、細川成也、ソフトバンクから新加入の上林誠知とタレントがそろっているが、岡林は2月23日のオープン戦初戦の広島戦(北谷)で右肩に訴えて途中交代。沖縄県内の病院で検査を受け、「右肩の炎症」で戦列を離れた。軽傷とみられるが、再発防止の観点からも無理をさせられない。上林も2月の春季キャンプ中旬に右肋間筋損傷」で戦線離脱。リハビリからの復帰を目指すことになった。三好大倫、ブライト健太が控えるが、ディカーソンがオープン戦で結果を残せば開幕スタメンをつかむ可能性が十分にある。
印象に残る竜の助っ人左打者
中日は近年、野手の外国人選手が活躍していない。昨年も中軸で期待されたアリスティデス・アキーノが20試合出場で打率.154、1本塁打、ソイロ・アルモンテが28試合出場で打率.189、1本塁打と期待外れの成績で退団した。左打者で活躍した助っ人も久しく出ていないが、印象に残る活躍を見せたのが1986年から中日で3年間プレーしたゲーリー・レーシッチだ。 来日1年目に津田恒実(広島)、尾花高夫(ヤクルト)からサヨナラ本塁打を放つなど、36本塁打をマーク。パワーは大きな魅力の一方で打率.251、リーグワーストの105三振と確実性に課題を残した。翌87年に運命的な出会いが訪れる。ロッテからトレード移籍した落合博満だ。神主打法に魅入られたゲーリーは落合を尊敬して左打者でそっくりな構えに。同年は故障の影響で87試合出場にとどまったが、打率.317、24本塁打、54打点をマーク。51三振と前年から大きく減らし、落合、宇野勝と組むクリーンアップは破壊力抜群だった。「強竜打線」と相手球団から恐れられ、12球団トップの168本塁打を記録した。 88年は打率.293、16本塁打、53打点で星野仙一監督のV1に貢献するが、本塁打が減ったことで評価が下がり同年限りで退団。「ナゴヤはボクの第二のふるさと。来年とはいわない。5年も10年も中日でプレーしたいよ」と語っていたが叶わなかった。