ラグビー大学日本一に王手!なぜ早大は天理大の野望を打ち砕くことに成功したのか?
1月11日に行われる決勝の舞台は、元旦のサッカー天皇杯でスポーツイベントのこけらおとしを行った新国立競技場である。 相良監督は「この巡り合わせに感謝したいです。(同会場で)初めてのラグビーの試合。いいパフォーマンスを出せるように頑張りたい」と話す。 会見に監督と共に出席した齋藤は、シーズン終了後はスーパーラグビーの日本チームであるサンウルブズへ加入する次世代の日本代表候補。新国立競技場で行うことに「経験したことがないのでわからないですけど…」としながらも、「そこ(国立競技場)でやれること(に興奮する)より、試合に集中したい気持ちが大きいです」と浮かれていなかった。 何より相手は前年度王者の明大である。全勝対決となった対抗戦では運動量、フィジカリティで明大が上回り7-36で敗れている。 明大は、この日の準決勝でも、関東大学リーグ戦1部、1位の東海大に29―10と快勝した。トライを生んだ自陣からの連続攻撃にはポジショニングや状況判断の質の高さを、一時退場者を出しながら無失点で切り抜けた後半22分以降の10分間にはタフさをにじませた。 さらにはフッカーの武井日向主将が「まだ目標を達成したわけではない」と気を引き締めるのだから、足元をすくわれにくいチームと認めざるを得まい。 ただし早大も、対抗戦時のチームとは違う。 早大は、明大の得意なスクラムやラインアウトへの対策をしたうえで、そのスクラムやラインアウトを減らす試合運びを遂行したいところだろう。その意味では、攻めの起点となる齋藤と岸岡のジャッジが試合の鍵を握る。12月の早明戦を欠場していた核弾頭の中野は、「相手がどこにせよ、自分の強みである突破、オフロードで味方にトライを獲らせる。ディフェンスでも激しくいくことは、ぶらさずにやっていきたいです」と静かに意気込む。試合に出たくても出られない同級生の思いを背負った才能集団は、最大収容人数68000人の新国立でも持ち味を発揮できるのだろうか。 (文責・向風見也/ラグビーライター)