「一国主義や保護主義に反対を」 習氏、就任後初訪中のインドネシア大統領と会談
【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は9日、訪中したインドネシアのプラボウォ大統領と北京の人民大会堂で会談した。中国国営中央テレビ(電子版)によると、習氏は会談で「インドネシアと、さらに緊密な多国間の戦略協調を発展させ、一国主義や保護主義に反対することを望む」と述べた。 トランプ米次期大統領の就任を控える中で、中国側には保護主義を牽制し、インドネシアをはじめとする新興・途上国との連携強化を進める狙いがある。習氏は「平等で秩序正しい世界の多極化を推し進める」ことも呼び掛けた。 プラボウォ氏は10月の大統領就任後初の外遊先として中国を訪れ、対中関係を重視する姿勢をアピールしている。習氏は「あなたが両国関係の発展を高度に重視していることを体現している」と評価。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のほか、貧困撲滅や医薬、食料栽培、漁業などの分野の協力強化に意欲を示した。 中国国営中央テレビによると、プラボウォ氏は「中国は偉大な国家だ」と述べるとともに「現在の複雑な国際情勢下で、中国と全方位的戦略協力をさらに強化することを希望する」と強調した。台湾問題について「中国政府の立場を完全に支持する」と述べたほか、中東のパレスチナ問題について「中国が正義を擁護していることに感謝する」と表明したという。