ホークスで起きた粛清劇に高津続投の真相…プロ野球 番記者が書けない「マル秘ベンチ裏レポート」
新生ジャイアンツ優勝で「ホッとした」
141試合目で胴上げ。史上稀に見る″大混セ″を制したのは就任1年目の阿部慎之助監督(45)率いる、新生ジャイアンツだった。球団OBが打ち明ける。 【画像】すごい…!菅野を支える!”小芝風花似”20代美女がかわいすぎる…! 「優勝インタビューで阿部監督が『ホッとした』と言っていたけど、今年は球団創立90年というメモリアルイヤー。絶対に負けられないシーズンだった。貢献したプレイヤーに支払われる監督賞などの報奨金の金額が、例年の1試合200万円から500万円へ大幅に引き上げられたと聞く。皆もう忘れていると思うけど、メジャー通算178発の2億円助っ人、オドーア(30)を獲ったのも本気度の表れ。ヤツが開幕直前に退団するや、3Aからヘルナンデス(29)とモンテス(27)を獲ってきた。これだけ球団にバックアップしてもらって、V逸したら……と、阿部監督の重圧はハンパじゃなかったと思う」 リリーフの整備、若手の台頭と勝因は他にも色々あるが、阿部監督とセ・リーグのライバルたち全員が「最大の貢献者」として名を挙げるのは、15勝3敗と12の貯金を作った菅野智之(34)だ。 「エースの再生計画は実は去年から始まっていました。立案者は久保康生巡回投手コーチ(66)。阪神1年目、中継ぎで燻っていたメッセンジャー(43)を100勝投手に″魔改造″するなど数々の悩める投手を救った名伯楽です。口癖は″常識を疑え″。減量したのに真っ直ぐの出力が上がり、素人には立ち投げに見えるほどリリースポイントを高くしたことで、スライダーの切れ味が増した。昨季は4勝8敗に終わりましたが、新しい身体を作り、フォームを固めるためには時間が必要だった。誰よりも実績がある菅野が″変わること″を受け入れるのにも、時間が必要だったのです」(球団関係者) ◆岡本和真の憧れ メモリアルイヤーに照準を定めた、エースの見事な復活劇。すべてがうまくいっている巨人だが、気になるのは主砲・岡本和真(28)の去就だ。 「岡本の憧れの存在が、ブルージェイズのゲレーロJr.なのは有名な話。昨年の契約更改の席ではメジャー挑戦を球団に直訴しています。6年連続30発超えという実績もさることながら、MLB側はWBCでの活躍を評価している。村上宗隆(24)を打率、打点、本塁打すべてで上回りましたからね。今年は年間通じて極東スカウトがスタンドにいたようですし、シーズン終盤には本土から関係者が来ていた。巨人も岡本の挑戦に否定的ではないので、このまま日本一となれば、夢への扉が開くかもしれません」 一方、優勝争いに敗れた阪神では「”ポスト岡田をめぐる冒険”の真っ最中」なのだと夕刊紙デスクは言う。 「今季が2年契約の最終年なのに、岡田彰布さん(66)に球団が続投要請したという話がシーズン終盤まで一切、聞こえてこなかった。オーナーや親会社の阪急阪神HDの角和夫会長(75)の口ぶりからすると、阪急側の意向は阪神側に伝えられていて、あとは岡田さんの腹次第なのだろう――と思っていたところ、今季最終戦が行われた10月3日の朝になって、スポーツ報知が『今季限りで退任』と報じた。『後任は藤川球児(44)が有力』とも。藤川は同紙の評論家を務めているし、他メディアも追随したことから、退任はほぼ決まりでしょう。ただ、コーチ経験のない藤川がいきなり監督をやるかといえば、そこには?マークがつく。 阪神の監督人事は長らく、阪急側も手が出せない”聖域”でした。ところが’22年オフ、球団が平田勝男さん(65・現ヘッド)で一本化していた監督人事を角会長がひっくり返した。『今回は口を出さない』と言ってはいますが、角会長の任期は来年6月まで。少なくともあと1年は、阪急側の意向は無視できないでしょう。角会長が全幅の信頼を置く岡田さんは、故・星野仙一さんがやったシニアディレクターのようなポジションに就いて球団に残り、影響力を発揮するのではないか。そうなると、後継者は岡田さんが扱いやすい平田さんが有力。球団も一度はその方向で動いていたから異論はないはず」 球団関係者は「ポスト岡田」として鳥谷敬(たかし)(43)、藤川球児(44)、今岡真訪(まこと)(50)の3人を挙げた。 「岡田さんは夏以降、何度も角会長と会っており、そこで『後継者が育つまで指揮を執ってほしい』と言われていたようです。打撃コーチとして一番近くで岡田采配を学んだ今岡が″監督はコーチを経験してから″という岡田さんの方針にマッチしていますが、体調面の不安がある。岡田さんと角会長は鳥谷を考えているのではないか。一方、球団は球児を推しているといいます。ファンに人気があるし、岡田さんや鳥谷みたいに扱いづらくないですから(笑)。いずれにしろ、誰が指導者として入閣するのかがヒントになると私は見ています」 パ・リーグの覇者も就任1年目の新人指揮官、小久保裕紀監督(52)が率いるソフトバンク。セとは対照的に年間通じて2位を10ゲーム前後リードするぶっちぎりの圧勝だったが、それでも8月の終わりから9月にかけて、負けが込んだ時期があった。4年ぶりの頂点に向かう重圧かと思いきや、球団OBは「背筋も凍る事件が起きてチームの雰囲気が一時、悪くなった」ことを原因に挙げる。 「選手と距離が近いことで有名な名物スタッフが突如、グラウンドから姿を消したのです。私が聞いた限りでは″原因″はふたつ。ひとつはグラウンドでブリッジをしていた主力選手の腹の上に、そのスタッフが乗っかっている写真がSNS上にアップされたこと。もうひとつは、球場の通路で原稿を書いていた報道陣がそのスタッフに移動させられたこと。その際にどうも『監督が良く思っていない』なんて説明をしたようで、寝耳に水の小久保さんが″俺をダシにしやがって″と激高した――のではないか、と専(もっぱ)らのウワサです。選手側は好きでやっていたのですが、スタッフがベタベタするのも監督の癇(かん)に障ったのでしょう」 ◆ビールかけにも来ない そしてもう一人、井出竜也コーチ(53)がほぼ同時期に姿を消している。 「8月の終わり、1週間で3度も本塁でランナーが憤死したことがありました。小久保監督が突き放すように『(三塁コーチャーの)井出コーチに聞いて』と言った翌々日、試合前練習に参加していた井出コーチがグラウンドから突如、姿を消したのです。広報は『体調不良で欠場』と言うばかり。それ以後、井出コーチを見た者はいません。ビールかけの会場にもいなかったはず。番記者たちは震えながらこう言っています、真夏の粛清劇だと……」(前出OB) ″事件″で引き締まったのか、チームはこの後、7連勝とV街道を驀進(ばくしん)。スポーツ紙ホークス担当記者は「右足首を故障し、松葉杖をついて胴上げに参加した近藤健介(31)を監督はCSで使う気です」と言う。 「5月にやはりケガで離脱した柳田悠岐(ゆうき)(35)を3番ライト、近藤を5番DHで起用する腹積もりでしょう。秘策としてベテラン左腕・和田毅(43)のリリーフ起用も考えている」 まさに特攻。実現しそうな気がしているのはFRIDAYだけだろうか。 短期決戦では絶対エースの存在が勝敗を分ける。CSで脅威となるのが千葉ロッテの佐々木朗希(22)だが、「それも今季まで。来年は日本にいないかも」と言うのは、前出の夕刊紙デスクである。 「入団以来、壊れないよう大事に、大事に育てられてきた。一年通じてローテを守ったことは一度もない。それなのに、ロクな恩返しもしないうちに選手会を脱退して、″メジャーに行かせろ″とキャンプイン直前までゴネた。一度、アンパイアとモメましたけど、マウンドでの態度も褒められたものではない。チーム内で浮いてしまっています。今季、初めて二桁勝利をマークしましたし、出ていくと言っても、誰も引き止めないのでは」 逆に、2年連続で最下位争いを繰り広げ、「辞意表明しても誰も引き止めまい」と見られていたヤクルトの高津臣吾監督(55)は、シーズン終了を待たずに契約延長を勝ち取った。ヤクルトの元編成担当は「この続投には狙いがある」と言う。 「実は球団内で″次期監督″はすでに決まっているそうですが、まだ指導者経験がない。だから、高津監督に″延長戦″を戦ってもらって、その間に帝王学を学んでもらおう、というわけです。″次期監督″の名は青木宣親(42)。今季限りで引退するミスタースワローズです。球団社長がゾッコン。村上ら主力選手たちも心酔している。理想のリーダーですね」 ファンと球団で評価が分かれているのが、DeNAの三浦大輔監督(50)だ。 「タレントは揃っているのに、野球が大雑把。肝心なところで痛いエラーが出るし、ベンチワークで1点をもぎ取ることができないから、大一番で勝ち切れない。毎年、CS出場が関の山なんですが、実はそれが球団の目指すところ、と指摘する人がいる。さる主力選手が私に『球団幹部が″2位が理想″と言っていた』とコボしたことがあるんです。冗談半分でしょうが、たしかに優勝したら総年俸がガンと上がってしまうけど、2位ならアップ額を抑えられるうえに、お客さんも入る。儲かるわけです。三浦さん、采配はさておき、集客力はバツグンですから」(スポーツライターの藤本大和氏) ◆この惨状は予言されていた 借金40超と歴史的大敗を喫した西武。この惨状、実は「複数の人々が予言していた」とスポーツ紙西武番記者は言う。 「ひとりは渡辺久信GM兼監督代行(59)、その人です。シーズン途中で休養となった松井稼頭央監督(48)の失敗は選手の自主性に任せたこと。エラーをしても、バントを失敗しても叱らない松井さんを見て渡辺さんは『ハッキリ言ってあげないとわからない。なあなあにするのは、弱いチームの典型。練習量も足りない』と危惧していた。もうひとりが平石洋介ヘッド(44)。松井政権1年目を終えた昨オフ、メディアの取材で『西武はぬるい』と一刀両断していました。秋山翔吾(36)や山川穂高(32)のような厳しい先輩や練習の虫が次々と抜け、残ったのは源田壮亮(31)ら背中で引っ張るタイプの選手と若手ばかり。平石ヘッドは口うるさく注意したそうですが、ヘッドコーチと監督では言葉の重みが違う」 渡辺監督代行が引き継いで、さらに負けが込んだことで「誰がやっても一緒」と次期監督探しは難航。西口文也二軍監督(52)の昇格が有力視されている。 「ヘッドコーチには、千葉ロッテでヘッドコーチや二軍監督を務めた鳥越裕介さん(53)を招聘すると報じられました。堕落したチームを立て直すには″厳しい人″が必要と球団が重い腰を上げたことの証左。西口さんはマイペースな人ですから。鳥越さんは明治大出身。奥村剛球団社長(57)は明治大の先輩にあたりますから、そのラインでしょう。渡辺さんはGMも退任することになると思います」(前出の藤本氏) 事件はグラウンド外で起きていたのだ。 『FRIDAY』2024年10月18日・25日合併号より
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