調査で見えたIoT製品の市場投入時間「超長期化」、それでも「有益」と言えるワケ
市場投入までの時間増加が「有益」な理由
IoT製品の開発時間の増加は、より優れたセキュリティとユーザー重視のソリューションを示しています。 IoTコネクテッド製品の市場投入までの時間が増加することは、IoTの全体的な成功にとって問題視されるかもしれません。 しかしこれは、OEMがさまざまなハードル(セキュリティの考慮や規制など)に対処するために時間をかけていることを意味します。その時間によって得られたソリューションはより安全で、複雑な運用ニーズに対応できる可能性が高いため、最終的にはエンドユーザーに利益をもたらすでしょう。 製品の市場投入までの時間が増加することは、驚くことではありません。IoT アナリティクス社は、IoT業界のOEMやそのほかの市場参加者と定期的に連携しています。 製品の市場投入までの時間が80%増加するというのは少し長く見えますが、IoT アナリティクス社のチームはさまざまな市場関係者と何度も話し合い、OEMが製品を市場に投入するのに時間がかかっているのを目の当たりにしてきました。 たとえば、あるエッジ・コンピューティング・ソフトウェア・プロバイダーのシニア・マネージャーは最近、「同社の顧客が、セキュリティ要件への対応や、付加価値の高い機能、能力、分析ツールの開発に時間を費やしている」と話しています。 また、クラウドベースのIoTプラットフォーム・プロバイダーのシニア・マネージャーは、「顧客のプロジェクトチームの平均規模が、2014年の14人から2024年には20人に増加し、複雑さが増している」と話しています。 逸話的なものではありましたが、これらの議論は、本記事で述べてきた内容を裏付けるものといえるでしょう。すなわち、適切な規制、技術、ユースケースのニーズを得るために時間をかけることが、結果として顧客にとって製品が信頼でき、価値があるとみなされることにつながる、ということです。