『虎に翼』寅子の“思い出メシ”を振り返る 「トラつばカフェ」オープンを望む声も
『虎に翼』料理指導家・赤堀博美に重なる“寅子の生き方”
『虎に翼』の料理指導は、多彩な「食業」を持つ赤堀博美が担当している。料理研究家、管理栄養士、フードコーディネーターとして活躍する赤堀は、日本最古の料理学校「赤堀料理学園」の6代目校長を務める人物でもある。 実はこの学園は、日本橋で腕利きの割烹料理人だった初代校長が、文明開化期に和洋両方の料理を女性たちに教えるという画期的な目的で創立された。当時の上流階級だった伊藤博文夫人の協力を得て生徒を集め、わずか10人からスタート。料理を学ぶ習慣のなかった時代に、女性の教育と食文化の発展に大きく貢献したという。 初代校長の時代の変化に柔軟に対応しながら、新しい道を切り開いていく姿勢は、まさに寅子が体現しているものに通じるものがある。料理学校を通じて女性の社会進出を支援してきた赤堀料理学園の精神は、寅子の生き方にも通じるものがある。こうした共通点も、ドラマの料理指導を赤堀が任された理由の一つかもしれない。 新潟の四季折々の食材を使った郷土料理や、時代とともに変化していく食文化の描写など、料理シーンは、観るものの胃袋を刺激し続けるだろう。『虎に翼』のこうした細やかな食文化の描写を通じて、昭和初期の日本社会や寅子たちの生き方を振り返ってみても面白いかもしれない。
すなくじら