能登空港の防災機能強化 復旧、25年度末完了目指す
●工事本格化へ 国土交通省は能登半島地震を受け、能登空港の防災機能を強化する。国が県に代わって進めている復旧工事は来年度末までの完了を目指す。27日に発表した2025年度政府当初予算案に事業費を盛り込んだ。能登空港周辺は地震後、人口減少が危惧される奥能登の拠点として整備を望む声が上がっており、国は防災拠点となるよう早期の復旧を急ぐ。 能登空港は元日の地震で滑走路の亀裂や着陸帯の段差など多数の被害が確認され閉鎖された。国は2月、大規模災害復興法を適用し、県に代わって復旧工事を始めた。今年度は応急復旧や設計を進めており、来年度は滑走路や着陸帯、誘導路などを地震前の状態に戻せるよう本格的な工事を始める。 空港の災害対応力を高め、国土強靱(きょうじん)化を推進するため、防災機能の強化を図る。半島部の空港での災害時に給油施設への支援を実施する。能登空港への対応には、今年度補正予算で2億円を計上した。当初予算案では一般空港の整備費801億円の中から事業費を捻出する。 地震で閉鎖された能登空港は1月27日に週3日の運航を再開した。4月15日以降は毎日午前便のみで運航し、今月25日に地震前と同じ1日2往復体制に戻った。工事は航空機の運航を確保しながら進める。 能登空港周辺では10月、復旧復興に取り組む団体を支援する「能登官民連携復興センター」が開所するなど整備が進む。病院や防災の拠点としての機能強化を望む声もあり、国は空港の早期の復旧を急ぎ、復興を後押しする。