トップは6%超え!「高配当利回り銘柄」ランキング、低PBRの是正や新NISA始動で株主還元の強化が相次ぐ
株式投資の大きな醍醐味は成長性が高い銘柄をいち早く見つけて将来の値上がり益を得ることだが、特に個人投資家は配当収入に対する関心も高い。 【ランキングを全部見る】配当利回り「上位50社」の一覧 配当に着目した代表的な投資指標が、1株当たりの年間配当を株価で割った配当利回りだ。数値が高いほど、購入した株価に対して配当金として返ってくる割合が高く、お得な銘柄とも言える。利回りが高ければ権利確定日前に配当狙いの買いが入りやすいため、利回りが高い銘柄は比較的に値下がりリスクが限られるという側面もある。
■配当利回り5%超が11銘柄 そこで今回は、12月18日(水)発売の『会社四季報』2025年1集(新春号)の巻頭特集でも取り上げた「配当利回りランキング」のうち、上位50社を掲載する。 東証による低PBR(株価純資産倍率)企業に対する是正要請や新NISA始動もあって、株主還元を強化する上場企業が相次いでおり、高い配当利回りの銘柄は数多い。ランキングを見ると、5%超が11銘柄あり、上位50銘柄はすべて配当利回り4%超となっている。
なお、利回りは11月27日終値の株価で計算。また、予想配当額の確度が高い銘柄に限定するため、今期の四季報の純益予想が増益かつ1億円以上で、過去10期の間に5回以上増配し、減配が一度もなかった企業に対象を限定し、今期予想配当利回りの高い順にランキングした。今期減配懸念がある企業などは除いている。 1位は普通鋼の溶接鋼管および各種加工品の製造販売を手がける新家工業。低水準のPBRが長年続いた会社だが、東証からの改善要請もあり、2024年度からの3カ年は「自己資本の積み上げを抑制し、機動的な株主還元を行う」と表明。今期は前期の約2倍となる300円の配当を計画し、予想1株利益のほぼ全額を株主に配当で還元する。
2位は北関東を地盤とする戸建て販売のグランディハウス。業績は以前よりも利益水準が大きく落ち込んでいるが、配当は年間32円を維持し続けており、利回りが高くなっている。 ■配当性向の高さが際立つ 3位は鋳鉄管で業界2位の栗本鐵工所。業績自体も堅調で、今2025年3月期は前期更新した過去最高純益とほぼ同等の水準が続く見込み。今年度からの3カ年は配当性向5割以上の株主還元を目標に掲げ、大幅増配となる1株229円の配当(前期実績170円)を計画している。
4位のエーワン精密は自動旋盤用の固定治具が主力の機械工具メーカー。年間100円の配当を続けており、今期の配当性向は200%を超える。5位の大末建設は着実に増配を重ね、今期の配当性向が5割超える。 そのほか、建設ではイチケン、安藤ハザマも上位に入った。8位の宮地エンジニアリンググループはこのランキングの上位常連銘柄だ。 株式投資をするうえで、配当利回りは重要な指標の1つとなる。過去の業績や配当実績も踏まえ、今回のランキングも参考にしてほしい。
又吉 龍吾 :東洋経済 記者