【ヤクルト】奥川恭伸、涙、涙の980日ぶり白星「この1勝は僕にとってすごく大きな1勝」5イニング無四球1失点
◇14日 オリックス3―5ヤクルト(京セラドーム大阪) ヤクルトの若き右腕・奥川恭伸投手が度重なる負傷から涙の復活を果たした。2年ぶりの1軍マウンドでオリックス相手に5イニングを7安打1失点、無四球の力投。レギュラーシーズンでは、2021年10月8日の阪神戦(神宮)以来、980日ぶりの勝利を手にした。 試合後は人目もはばからず号泣。何度も声を詰まらせた。 「ファンの方に声援をいただいて…。本当にうれしかった。ほっとしています。この1勝は僕にとってすごく大きな1勝になりました」 石川・星稜高から入団した新人合同自主トレ中に右肘の炎症が判明。スタートからつまずいたが、2年目にはチームトップタイの9勝を記録しセ・リーグ&日本シリーズ制覇に貢献した。飛躍を誓った22年3月29日の巨人戦(神宮)で右肘を負傷。復帰間近の昨年7月には左足首を骨折した。 今年の正月には帰省中に能登半島地震を経験。2月のキャンプ終盤に腰痛で離脱した。「(涙を流しながら)石川県の皆さんのためにも頑張るって決めたシーズンだったんですけど本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」。ネット上には心無いコメントがあふれた。悔しかった。それでも「復帰を待ち望んでいるファンもたくさんいる」と奮い立った。 昨季限りで退寮し、独り暮らしを始めた。自炊ではピーラーを使わず包丁で調理している。理由は「やりがいがある」から。常にファイティングポーズを崩さない姿勢は野球と同じだ。苦難の日々を乗り越えた23歳が完全復活へ大きな一歩を踏み出した。
中日スポーツ