米次期政権の閣僚候補らに爆破予告 親パレスチナの脅迫文も
トランプ次期米大統領の政権移行チームは27日、複数の次期閣僚候補が26日夜~27日朝に爆弾などによる襲撃を示唆する脅迫を受けたと発表した。国連大使候補に選ばれたステファニク連邦下院議員らが標的になり、一部の脅迫文には親パレスチナのメッセージもあったという。被害は確認されていないが、捜査当局は閣僚らの自宅周辺の警戒を強化している。 報道によると、米中央情報局(CIA)長官候補のラトクリフ氏、国防長官候補のヘグセス氏、農務長官候補のロリンズ氏、環境保護局長官候補のゼルディン氏らも脅迫を受けた。捜査当局に「犯行予告」があったほか、ソーシャルメディアに脅迫文が投稿された。 ゼルディン氏はXへの投稿で「パイプ爆弾で私や家族を自宅で狙うという脅迫があり、親パレスチナのメッセージもあった」と説明した。 一方、一連の脅迫とは別に、今月21日にフェイスブックへの投稿でトランプ氏や家族の殺害を示唆したとして、西部アリゾナ州の男性が逮捕された。「子供がトランプ氏側に拉致され、性的な人身売買の犠牲になった」などと一方的に主張する投稿もしていた。 政権移行チームは27日の声明で「トランプ氏は法執行機関の迅速な対応に感謝している。安全で繁栄する未来のため、国を団結させることに集中していく。脅迫や暴力が我々を妨げることはない」と述べた。 トランプ氏は第1次政権で、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、シリアから奪った占領地ゴラン高原での主権を認めた。次期駐イスラエル大使候補にパレスチナ国家樹立に懐疑的なハッカビー氏を選ぶなど、次期政権も親イスラエル路線をとるとみられている。【ワシントン秋山信一】