チョコレート職人のブノワ・ニアン氏が語る、カカオに対する情熱と日本市場への深い思いとは?
2023年にオープンしたベルギー発のチョコレートショップ「ブノワ・ニアン 銀座(BENOIT NIHANT GINZA)」が、1周年を迎えた。これを記念して、創業者でありチョコレート職人のブノワ・ニアン氏が来日。特別なコース料理「コース オ ペルー」と、ペルーに保有する自社農園のタブレットチョコレート、アニバーサリーボックスを発表した。ブノワ氏が語るカカオに対する情熱と、日本市場への深い思いとは? 【画像】もっと写真を見る(5枚)
ペルーの自社農園から着想を得た特別コース料理
最高のカカオ農園を探し求めて旅を続けるブノワ氏は、2016年にペルーのサン・マルティンに自社農園「フィンカ ルイ デ シサ(シサのルイ農園)」を設立。農園の名前は、ブノワ氏の息子ルイにちなんでいる。かつて麻薬の栽培地だったこの地で、持続可能な森林再生プロジェクトを進めた結果、動植物の生態系が戻り、7年の歳月をかけてカカオ豆の収穫が可能となった。 今回発表された「コース オ ペルー」は、この農園での経験を象徴する内容だ。ブノワ氏は「このコースは、険しい道のりを経て農園にたどり着くまでの旅を象徴しています。各皿がその道程の一部を表現しています」と語る。 コースには、ペルーの伝統料理「カウサ」をイメージしたイモのスイーツや、ペルーのスイーツ「アロス コン レチェ」をイメージしたお米のスイーツ、そして、自社農園のカカオを使用した「フィンカ ルイ デ シサ 72%」のチョコレートを使ったビスキュイなどが含まれている。フルーツやナッツは農園周辺の食材をイメージしており、トロピカルな風土が感じられる構成だ。コースは1日8名限定で提供される。 ブノワ氏は続けて、「プランテーション(農園)の世界は、多くの人々にとってなじみがありません。この『コース オ ペルー』を通じて、農園の環境やそこで働く人々、そしてカカオの魅力を伝えたいと考えています」と述べている。このコースには、カカオの可能性に対するブノワ氏の探求心が詰まっている。