若者の社会運動、注目されると「実力不足を感じる」 教育、地域おこし…アクションする大学生の本音
大人の価値観に左右されない資源配分は可能?
――まさにトッド・ギトリンの研究そのもの、ですね。資源が少ない若者にとって、資源獲得のためにメディアに出ることは重要で、その結果メディアの考える「若者活動家」らしい振る舞いをする、と。 章さん:現状、お金など様々なリソースが大人に集中しているのは間違いないことです。それを獲得するために大人が好みそうな「表面」を作り、リソースを獲得していく現状があります。 でもそれ自体が間違っていると思います。つまり、リソースを当たり前に若者に回すべきだと私は考えています。 この先の社会を変えていくのは当たり前ですが若者です。リソースの大部分を大人が持っており、「評価軸」を大人が造ってしまっているから、大人の価値観に合わせた「顔」を若者が作っている、その現状はよくないと思っています。 平井さん:「力」の定義の問題でもありますが、若い人の方が力不足ではあると思います。 そういう意味では、若者にリソースを投入するときに、期待すべきは高確率で成果を出すことではなく、「チャレンジ」に投入するかたちになると思います。見返りを過度に求めない仕組みがあったらいいのにと思います。 章さん:少子化で若者は数が少ないですが、今後の社会を担う世代です。 人数が多い方にリソースが回されるのはある種合理的ですが、「今後の社会を担う」という視点で、リソースは分散すべきです。 富永さんの「クラウドファンディングで匿名で寄付するぐらいの距離感がちょうどいいのかな」という提案に共感しました。 【あるアクティビストが「年長者ができることは、基本的には静かに資源を供出することだけじゃないですかね」とおっしゃっていて。この「静かに」がいいなと思いました。そういう意味で、それこそクラウドファンディングで匿名で寄付するぐらいの距離感がちょうどいいのかなと思います】 〈若者の社会運動、ほめそやす年長者 革新性ではなく「若さ」拾う思考:朝日新聞デジタル > 古井さん:ある財団では、返済不要な奨学助成金を抽選で支給しています。 過去の自分は、自分がやりたいことを言語化できなかったし、ましてや大人に受けのいい言葉も出てきませんでした。だから、偶発的に機会が提供される「くじ引き」で選ぶのはいいと思いました。 章さん:いいですね。クラウドファンディングも結局「いい感じ」のものが選ばれてしまいます。でも、一回目の成功体験が大切だと思っていて、それがあれば、その先も作り上げられる。その経験を持てるかどうかではないでしょうか。