11.45型でSnapdragon 685搭載になったタブレット「LAVIE Tab T11」ってどんなもの?
NECは12月12日、「LAVIE Tab T11」の2024年版にあたる「T1175/JAS」を発表、現在販売中だ。編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。 【画像】前面。パネル中央上に前面カメラ。フチはそこそこ狭い ■ LAVIE Tab T11の2024年版! 2023年モデル、「T1175/FAS」もレビューしているが(2023年4月掲載)、同じ約11型でHelio G99/6GB/128GB/7,700mAh/Android 12Lという構成だった。またレビューはしていないが、Helio G88搭載の「T1155/HAS」というモデルもあったようだ。 これらに対して2024年モデルは12月12日と年内ギリギリの販売開始。仕様的にはSnapdragon 685/8GB/256GB/8,600mAh/Android 14と、対T1155/HASとすれば全て強化、また対T1175/FASとしてもSoC以外は強化されているという辺りだ。主な仕様は以下の通り。 SoCはQualcomm Snapdragon 685。8コアでCortex-A73×4 2.8GHz+Cortex-A53×4 1.9GHz。GPUにAdreno 610を内包している。リリース自体は2023年3月だが、6型番なのでミドルレンジ用と言ったところか。 ちょっと話がややこしいのは、Helio G99搭載の「T1175/FAS」比較だと性能ダウン、Helio G88搭載の「T1155」比較だと性能は(多分)アップと言うところ。後半のベンチマークテストで検証してみたい。 メモリはLPDDR4Xの8GB、ストレージは256GB。ここは上記したように前モデルから強化されている。OSはAndroid 14。 ディスプレイは11.45型で2,000×1,200ドット/90Hz。前モデルが11.5型だったので気持ち小さくなっているが概ね同じ。もちろんWidevine L1認証にも対応する。 ネットワークはWi-Fi 6、Bluetooth 5.3。そのほかのインターフェイスは、USB Type-C、microSD、NFC(Type-A/B対応)、ステレオスピーカー(4か所/Dolby Atmos対応)、3.5mmジャック。 Wi-Fi、Bluetoothが今時の仕様になっている。NFCは初搭載。Googleウォレットやマイナポータルに対応するとのこと。カメラは前面が800万画素(顔認証対応)、背面が1,300万画素。 センサーはGPS、加速度センサー、照度センサー、近接センサー、ジャイロセンサー、Hallセンサーを搭載する。防水(防滴)/防塵はIP2基/IP5Xに対応。 8,600mAhのバッテリを内蔵し、最大約13時間駆動可能。サイズ268.7×169×7.2mm、520g。実売予想価格は6万5,780円前後。前モデルより5千円ほど上がっているが、この円安の時代なので仕方ないところか。 なお、USB充電対応ペン「デジタルペン 3(PC-AC-AD042C,約1万円)」、ペンを収納可能でスタンドにもなるカバー「PC-AC-AD0505C」(実売価格7,678円前後)も合わせて販売中だ。 筐体は仕様上、ルナグレーと書かれているが雰囲気的にはスペースグレイ。7.2mmと薄く、重量も520gほどなので、持った感じは結構軽い。デザイン的にもチープさは皆無。 前面はパネル中央上に前面カメラ。フチはそこそこ狭い。背面は右上にカメラ群。左側面に電源ボタン、スピーカー(2基)。上側面に音量±ボタン、アクションキー、microSDカードスロット。右側面にType-Cとスピーカー(2基)、3.5mmジャック。下側面にキーボード用接点を配置。 付属品はACアダプタ(サイズ約50×40×20mm、重量53g、出力20W)、USB Type-A/Type-Cケーブル、イジェクトピン。 11.45型のパネルは明るさ、発色、コントラスト、視野角全て良好。リフレッシュレートが最大90Hzなのでスクロールなども滑らかだ。 カメラのモードは、ビデオ、カメラ、書類の3種類。800万画素の前面カメラは動画時720pと1080pに対応。美肌モードもある。フォーカスは固定。映りはWeb会議などで割とよく見かける感じの画質で悪くない。 背面カメラはAF対応。いつものサンプルを掲載したが、結構寄れるのでマクロ的にも使用可能。ただ毎回書いているが、筐体が大きい分、手ブレしやすく、またこの画質であれば、昨今のスマホの方が上だろう。 発熱は使った範囲でほとんどなかった。サウンドは(横位置で)左右に2つずつあるので、縦位置でもステレオとなる。シャシシャリ音はサイズ的に仕方ないものの、その範囲としてはパワーもある。 以上のように完成度は高く、普段用に使ってる分には特に不満もない。アプリはもちろん、映像や音楽も楽しめる全方位型タブレットに仕上がっている。 オプションのペンは、前回のモデルではUSB Type-Cコネクタがボトムにあったが側面に変わり、ボトムにバッテリ状態を表す小さいLEDが仕込まれている。 タブレットカバーは合体時で843g。また折りたたみの角度は写真の位置に固定、加えて逆に向けて大きく傾ける設置方法には未対応だ(ズレ落ちてしまう)。 評価用で届いたキーボードはセパレートタイプでBluetooth接続。本機に限らずBluetooth対応デバイスであれば(おそらく)接続可能だ。177gと軽いので、何かの時用にカバンに入れておくのもありだろう。 前回と違うところはペンのUSB Type-Cコネクタの位置、そしてタブレットカバーの折りたたみ方……といったところか。 ■ Android 14搭載の標準的なタブレット 初期起動時、ホーム画面は2画面。DockにGoogleアプリフォルダ、カメラ、メッセージ、アシスタント、Play Storeが並んでいる。これまで色々なタブレットを見てきたが、DockにGoogleフォルダがあるのは初めてかも知れない。 上から下へのスワイプで通知パネル/クイックアクセス、下から上へのスワイプでアプリ一覧などは標準的なAndroidの操作通り。 IMEはGboard。ストレージは256GB中、約21GBが使用中(若干の画面キャプチャを含む)だ。画面はWidevine L1認証に対応しているのが分かる。 インストール済のアプリで目立つのは、「アシスタント」、「お客様登録」、「キッズスペース」、「サービス一覧」、「さとふる」、「つながる!LAVIE」、「マニュアル」、「Clip Studio」、「翻訳」、「Fitbit」、「Home、i-Filter」、「Jazzles」、「MyScript Calculator 2」、「Travelzoo」、「U-NEXT」、「WPS Office」辺り。 (記述していないが)Google系のアプリと、MyScript Calculator 2など同社のアプリ、そしてWPS Officeを加え、バランスをとった感じだ。 PCモードはWindowsのデスクトップ的にマルチウィンドウでアプリを使える仕掛けだ。ローエンドだと動きがもたもたして使いにくいのだが、このクラスだと何とか使えるレベルになる。 ペンに特化したアプリとしてはMyScript Calculator 2とNeboがプリインストールされている。前者は手書きによる計算、後者はメモなどに対応したアプリとなる。 MyScript Calculator 2は結構使いやすく、日頃計算している人には嬉しい機能だ。ペンでの反応も良く、特にもたついた感じはない。 ■ 前モデルのよりパワーアップ?ダウン?Helio G88/Helio G99 vs Snapdragon 685 ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 6と(もうディスコンだが過去との互換性を考慮して)Google Octane 2.0の結果を掲載した。ただし、GeekBench 6のGPU/Vulkanは、何度実行しても途中で落ちるためOpenCLのスコアを掲載。 カッコ内はHelio G99搭載を搭載した前モデルのスコアとなる。Geekbench 6のGPUはテストのタイプが違うため比較できないが、ほかのスコアは結構落ちているのが分かる。残念ながらHelio G88のデータを持っていないので直接比較はできないものの、調べるとSnapdragon 685の方が上のようだ。 いずれにしても最近2万円程度のローエンドタブレットを何機種かご紹介したが、それよりは遥かにスムーズ。ワンテンポ遅れることもない。やはり最低でもこのクラスのSoCが欲しい感じだ。 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量共に50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ約10時間半でバッテリが切れた。容量が増えたこともあり前モデルと比較して1時間伸びている。トータルでパフォーマンスそこそこ+より長いバッテリ駆動時間を取った形だろうか。 以上のようにNEC「LAVIE Tab T11」は、Snapdragon 685/8GB/256GBを搭載した11.45型タブレットだ。ペンやタブレットカバーなど、オプションも用意され、用途に応じて利用しやすい構成になっている。 全体的にほかの部分も良くできており、性能はHelio G88を搭載した前々世代T1155/HASと、Helio G99を搭載した前世代T1175/FASの間を取った上で、バッテリ駆動時間を伸ばしたという渋い仕上げとなっている。国内メーカー製11型クラスのタブレットを探しているユーザーに使ってほしい1台と言えよう。
PC Watch,西川 和久