「2015年のW杯前は夫から遺言めいた言葉が」ラグビー田中史朗の妻が支えた17年の現役生活と引退後の夫婦の「次の目標」
智美さん:もちろん何かあったらどうしようという心配はありました。でも、若い頃に経験したほうが響くし、その後の人生にいきてくることも多いんじゃないかという考えがあって。それに主人が「不安だって言っていたら何も経験させてあげられないよ」って。そのあたりは夫婦でいいバランスが取れているんじゃないかなと思います。2人の子どもたちには日本にとどまらず、世界で活躍できるような人間になってほしいですね。それは人間性も含めて。娘は昨年5月からバドミントンを始めて、この1年の間に県大会で準優勝できるまでに成長したんです。
── 娘さんがバドミントンを始めたときはやはり嬉しかったですか? 智美さん:嬉しかったですね。でも、教えるとなると、特に親と子の関係性においては難しい場面もあって。娘は「日本代表になりたい」「高いレベルでプレーしたい」と実際に言葉にしているので、私たちも「それじゃ甘いよ」とアドバイスしたりするんですが、以前は「なんでそんなこと言われなきゃいけないの」って(笑)。最近は本人の意識も変化して、私たちのアドバイスにも、「うん、頑張る」と前向きになり、モチベーションが上がってきているなと感じています。今は家族みんなで朝5時半に起きて、近くの運動公園で走り込んだりトレーニングをしているんですが、娘の自信をつけるための時間でもあり、家族の絆を深める時間にもなっています。
── 田中選手は指導者として新たな人生をスタートさせています。智美さんご自身の今後の夢や目標はありますか? 智美さん:次は子どもたちのサポートをして、娘の夢でもあるバドミントンの日本代表を実現できたらいいなと思っています。 日本にとどまらず、世界に羽ばたけるような選手になってもらいたいです。息子はこれからラグビーをやり始めるんですが、おそらく主人が熱血指導するんじゃないかな。もちろん、無理やりやらせる気はないですが、息子も目指すところが明確になってきてるので、私たちも応援したいですね。