伊東純也選手が相手女性の“不起訴”に納得できず検察審査会に申し立て…「勝率は1割」でも“厳罰”にこだわる理由
どんな「状態」かを冷静に判断することが重要
ーーこうしたトラブルに巻き込まれないために、弁護士として助言できることを、現在の刑法の内容を踏まえて教えてください。 荒木弁護士:かつて強制性交、強制わいせつといった名称で規定されていた犯罪は、現在、不同意性交、不同意わいせつという名称に変更され、その要件も以前とは異なっています。具体的には、性行為やわいせつ行為時における、相手方の「状態」が問題とされています。 そのため、たとえば相手方が泥酔している状況であれば、そのような「状態」に乗じてわいせつ行為をした場合、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いです。 このように相手方の「状態」がどうであったかが犯罪の成否に関わる以上、相手方と性的な行為をする際には、適切にコミュニケーションを取り、どのような「状態」であるかを冷静に判断する必要があります。 知り合って日が浅い関係の相手だけでなく、長く交際している恋人同士や夫婦間であったとしても、相手方の「状態」によっては、犯罪が成立する可能性があることに注意が必要です。 本来、性的な行為は、お互いの信頼関係に基づいて行われるものですから、相手方としっかりコミュニケーションを取ったうえで行うことは、当然のことではありますが、今一度そのことに注意して関係を築いていく必要があると考えられます。
伊東選手側の検察審査会申し立てに続くように、女性側も9月下旬、伊東選手側の不起訴が不当だとして同審査会の申し立てを行った。互いに譲らない様相だが、密室での行為だけに、真相が藪(やぶ)の中から出てくるのは困難というのが実情なのかもしれない…。
弁護士JP編集部