目覚まし時計「Alarmo」を発表した任天堂、かつても睡眠を計測するデバイスを考案していた

目覚まし時計「Alarmo」を発表した任天堂、かつても睡眠を計測するデバイスを考案していた

任天堂から、人の動きに反応する目覚まし時計「ニンテンドーサウンドクロック Alarmo」（以下、「Alarmo」）が発表された。これはゲーム機とは独立したユニーク製品だが、かつても任天堂は睡眠状態を自動計測するデバイスを考案していたことを覚えているだろうか。 IGN USがこの件について触れている。ネット上でも、任天堂の元社長である故・岩田聡がこのデバイスを発表していたことを思い出している人がいるようだ。始まりは2014年にまでさかのぼる。 任天堂は2014年1月の決算説明会にて、これからの10年で挑戦することは「人々のQOL（クオリティ・オブ・ライフ）を楽しく向上させるプラットフォームビジネス」だと当時の岩田社長が発表していた。QOL向上の第1ステップは「健康」というテーマで、内部ではQOL事業として進んでいたものであった。モバイルやウェアラブルではなく身に着ける必要がないものを目指していて、当時の任天堂はハード・ソフト一体型プラットフォームビジネスを実現したいと考えていたのだ。 この発表を経て、2014年10月には「睡眠と疲労の見える化」というコンセプトが掲げられた。当時の決算説明会では「睡眠状態を自動計測するデバイス」として、QOLセンサーというものが紹介されている。これはベッドや布団の横に置くデバイスであり、電波を使って睡眠状態を計測するというものだ。電波を使って睡眠の状態を確認するという技術は、「Alarmo」でも使われている（「開発者に訊きました」より）。 しかしながら、2016年の決算発表会では君島社長（当時）がQOL事業に関して「睡眠と疲労のテーマにつきましては商品化できる段階であることを確信していません」と回答していた。さらに、同氏は「2016年3月期に（商品として）発売することは予定していません」とも回答している。日本経済新聞の記事によると、2018年12月には任天堂のQOL事業の開発が中止されてしまったようだ。 任天堂と睡眠と言えば、2019年には株式会社ポケモンが『Pokémon Sleep』を発表してもいる（アプリのリリースは2023年）。2020年には任天堂による非ウェアラブル睡眠追跡デバイスの特許が発見されており、これは「Alarmo」の初期コンセプトだったようだ（海外メディアNintendo Lifeより）。 「Alarmo」の「開発者に訊きました」では任天堂のQOL事業について触れられてはいないが、任天堂がかつて取り組んでいたものが巡り巡って「Alarmo」のコンセプトにつながったのかもしれない。 「Alarmo」はMy Nintendo Store（現在はNintendo Switch Online加入者のみ購入可能）とNintendo TOKYO/OSAKA/KYOTOで販売中だったが、My Nintendo Storeは注文が殺到したようで、販売が停止している。現在は近日中の抽選販売に向けた準備をしているそうだ。 Alarmoの価格は1万2980円（税込）。また、2025年2月中旬以降は全国のゲーム取扱店などでも販売開始予定だという。